歌舞伎作品年表

歌舞伎の主要な演目・約250作品の作品年表です。
・戸板康二編纂解説/山本二郎・郡司正勝本分校訂『歌舞伎名作選 全15巻』(東京創元社)
・戸板康二・利倉幸一・河竹登志夫・郡司正勝・山本二郎監修『名作歌舞伎全集 10/11/12/20/23/25巻』(東京創元新社)
・井草敏雄編著『歌舞伎オン・ステージ 5/9/24巻』(白水社)
・古井戸秀夫『舞踊手帳』(新書館)
・浅川玉兎『長唄名曲要説 全4巻』(邦楽社)
・ウィキペディア
等を参考にして作成しました。

とくに「出来事」欄の内容に関しては、その殆どがwikiの引き写しです。
長唄地の舞踊作品については、浅川本に掲載のあるものはその巻数と頁を、CDの発売されてるものについては立唄/立三味線と規格品番を記してあります。CDおよび変化舞踊に関するデータの扱い方については長唄主要曲一覧の方の説明を参照してください。

---------------------------------

 全体を大きく、
・「人形浄瑠璃・義太夫狂言」
・「その他」
・「所作事・江戸浄瑠璃等」
の三つに分けてあります。歌舞伎作品の分類法は色々あり、この三通りでは大雑把すぎると思われるかも知れませんが、「当サイトのメイン・テーマは三味線音楽である」という立場からすると、この分け方にもそれなりの合理性があるのだとご理解下さい。作品数的にも所作事の割合が多めになっております。
 「江戸浄瑠璃等」というのは、(義太夫以外の)三味線音楽との関連が重要な作品という意味で、ですので例えば歌舞伎十八番の『矢の根』等は(本来ならば江戸荒事の、成田屋御家芸のという分類区分に収めるべき作品ではあるけれど)、古浄瑠璃を地に用いるが故に当サイトの分類では「江戸浄瑠璃等」の仲間になる、という具合です。

---------------------------------

西暦年は
江戸時代の最初の約百年 享保の改革以降 寛政の改革以降 天保の改革以降 明治 大正 昭和
に色分けしてあります。歌舞伎史の時代区分の立て方も色々ありますけど、ここでは試みに、徳川の三大改革に依って江戸期を四分してみました。芸能界に大弾圧を加えた天保改革については言うまでもなく、他の二つの改革が歌舞伎に与えた影響も無視出来ないのではないだろうか?それをこの年表を眺めながらちょっと考えてみたいと思っております。

---------------------------------

 「出来事」の欄には、とくに明治以降については、歌舞伎以外の演劇や大衆娯楽に関する情報を多目に載せてあります。
・明治期に西洋劇・西洋音楽が移入され、
・大正期には映画が登場し、
・プロレタリア演劇も一定の支持を集め、
・また女優という存在が一般化し、
・太平洋戦争敗戦以降は「日本的」であること自体が根本から否定され、
といった出来事が連なる中で、歌舞伎の、大衆芸能としての需要は縮小し、芸能界の頂点としての権威も相対的に低下していった百年史を、出来るだけ分かりやすく年表化したかったんですが、現状ではデータ量多すぎでちょっと読み辛いですね。いずれまとめ直すなりしたいと思います。

 江戸期中の歌舞伎以外の芸能史に関しても調べ上げたいのですが、現状はそこまで手が回りません。近代以降と同じく歌舞伎の数倍・数十倍の作品・演者・観客が存在したはずなんですが、大衆芸能本来の性質として、その殆ど全ては泡沫の如く消え去ってしまったとも思われます。
 ただ、江戸期中の歌舞伎には「映画」や「洋物」などの強力なライバルが存在しなかったのは間違いなく、そもそも今日的な意味で言うところのマス・メディアが存在していなかったのが江戸時代。ですからその頃の歌舞伎の人気と権威がどれほど絶大であったかを、近代以降との対照で想像してみるのも有意義かと。しかしそれすらも、現代の芸能環境に慣れてしまった私達には難しい事かも知れません。

歌舞伎以外の芸能としては、娘義太夫と浪花節もこの年表内に加えたいのですが、今回は労力的に間に合わなかったので、いずれそのうち付け足したいと思います。

 この年表、歌舞伎作品の部分は昭和の10年代で終了しております。「出来事」欄は国立劇場が開場する 1960年代まで作ってありますが、それ以降はテレビが普及し、ロック・ミュージックが浸透し、歌舞伎や三味線音楽はますます「日本人の現実」とは縁のない存在へと。

2010/01/18
(改)2010/02/16
(改)2010/03/22


【歌舞伎主要作品一覧】のトップに戻る
【江戸唄に附けたり】のトップに戻る


inserted by FC2 system