BOSS AC-2 Acoustic Simulator

発売期間:1997/02〜2006/02

「エレキの音をアコギに変える」アコースティック・シミュレーターです。近年のシミュレートものといえば、たいてい中身はデジタルですが、AC-2はアナログ回路なんですね。

↓基盤の画像。DSPの類は使われてません。

ストラトのセンター(だったかリアだったか)で鳴らした時に、最もアコギっぽい音になるんだそうで、取説には「なるたけそれで使って下さい」みたいな注意書きも。たしかにアコギっぽい音になる

「ような気がする」

くらいの効果は得られるエフェクターですが、いかんせん無理がありますわな。新型(AC-3)はデジ化してるみたいなので、より本物っぽい音が欲しい人は、迷わずそちらを用いるべきかと。

AC-2のMODE切換は4パターンあるのですが、一番「らしい」音が作れるのは"PIEZO"MODE……アコギ本来の響きを好む人が最も嫌うであろう、あのピエゾの音の感じは、けっこう上手に真似出来てると思います。ピッキングした時に、低くくぐもったアタック音(ドスッ)が付いてしまうのがピエゾの特徴の一つですが、そこの所が実にリアルにシミュレートされております。

個人的にはそんな音、好きでもなけりゃ欲しくもないのですが、このピエゾ風アタック音がE.ベースに付いたら、それは「ウッド・ベースのシミュレート」……ってほど本格的なものではないとしても、「エレベにウッド・ベースのニュアンスを少し加える」くらいの効果はあるのではなかろうかなんて事を、ちょっと考えたのですね。「低くくぐもったアタック音(ドスッ)」というのは、ウッド・ベースの音の特徴の一つなのですね。もちろんウッド・ベースのドスッ音は、あの大きなボディ全体から発っせられるものですから、なまじっかな回路で似たものを作るなんてのは無理に決まってるのですが。

そこで僕は一応、エレベ→AC-2という用法を試みたはずなんですけど、良かったとかダメだったとかの具体的な記憶はなく、だから多分、全然ダメだったんじゃないかと思います。

「低域がヤセるボス」という先入観があるせいで、元々あまり期待はしていなかったという事もあり、ちょちょっと鳴らしてみて「やっぱりダメか」で終わっちゃったんじゃないかと。

AC-2の"PIEZO"MODEの音は、コンプとEQの組合せで作ってるんだと思います(内部で信号を分岐して、極端にコンプ&EQ@ロー・ブーストした音と、アコギっぽくEQした音とをミックスするという手順……想像ですが)。AC-2でエレベをウッド化なんてのはダメもとでOKなんですが、エレベも、コンプとEQの組合せ次第では、ウッド・ベースのニュアンスに近づけられる「可能性がある」のかなと、そんな事を考える機会を与えてくれたAC-2は、それなりにナイスな製品だったかも知れません。


2008/05/29





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