BOSS DS-1 Distortion

発売期間:1978/06〜1989/02 2001/12〜

80年代末に国内販売は終了したんですが、21世紀になってから再びラインナップされました。

なんで今さらこんなのを?

という声も多く聞かれたようですが、商売が手堅いボスが、伊達や酔狂で無駄に再発をしたりするはずがありません。一つには、折からのビンテージ・ブームで、メタゾネ的な4ノブの、ちまちました見た目の製品よりも、3ノブのビンテージルックな方が好まれるという風潮があり、また「歪みもの」というジャンルはあまりにも細分化されてしまい、とくに超初心者(とか、ウン十年ぶりにエレキ趣味が再燃したオッサンとか)にとっては、イマイチ買い物のしづらい状況になっている。しかしボスには
★オーバードライブの大スタンダード、SD-1
という製品がありますから、
★ディストーションの大スタンダード
として、このDS-1を復活させれば、ボスの歪みもの全体の「商品体系」が把握されやすくなる。

ボス歪みものの「商品体系」とは大まかに
★黄色チーム
★オレンジ・チーム
★黒色チーム
の3種に大別され、その他に青とか銀とかがちょろちょろと。

この内、黄色チームはSD-1、黒色チームはメタゾネという大スタンダードを擁してるのに、オレンジ・チームには、そういうものがなかった。ですからオレンジ・チームの「スタンダード」としてDS-1を据えれば、ボスの歪みもの全体が「おおまかな三本柱」という形に体系化され、メーカーにとってはその方が宣伝しやすく、売り場の店員さんも商品の説明がしやすくなる。買う側にとっても分かりやすい。DS-1復活の背景には、そういう効果が期待されていたという一面もあったわけですね。

以上の説明は、全てわたくし個人の想像です。思いっ切り的外れかも知れません。

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音の方は、本当に「普通のディストーション」とでも言いますか。今どきの音楽でDS-1を使うとしたら、たぶん「アンプの歪みその他との合わせ技」で使用するのが必須なのでしょう。これ単体の歪みでは、とくにどうとも……逆に言うと、新型のディストーションの多くが、いかに製品1パッケージの中で音を作り込んでいるか、いわば「過剰演出気味であるか」がしみじみ分かる、昔懐かしい歪みものでございます。

ただ、よく言われる事ですが、トーン絞り気味(ツマミ位置10時くらいかな)の音は独特で、これと同じ音の出せる製品、ほかにはちょっと思い付けません。もちろんどんなディストーションでもトーンを絞れば、角の取れた、耳に痛くない、モケっとした音を作る事が出来ますけど、DS-1の場合はトーンを絞っても「押す力」みたいのが残ってくれるのが良いのではないでしょうか。

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製造時期の古いDS-1の場合、古ボスにありがちの「アダプターが合う/合わない」問題がありまして、日本製の全てと、たしか台湾製の一部が、旧型アダプター(ACA-100)に対応してるんですが、これを現行アダプターPSA-100で使用した場合、

★TONE上げ設定の場合=あきらかに高域不足
★TONE下げ設定の場合=中域にディップが出来ているか低域が不足しているか、イマイチ不明ですが、とにかく変なクセが付く

という音になります。それほど極端に違うのではありませんが、やはり適正な電源で鳴らした方が良い音だと思います。アダプターが合ってるかどうかの見分け方はLEDの輝度ですね。現行PSA-100でONにした時の輝度が、電池(新品)でONにした時よりも暗かったら、そのDS-1は旧型アダプター対応、という事になります。


2008/05/29





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