発売期間：1990/05〜

コントロール・パネル右端の"COLOR"ツマミを、"OD"側に振り切るとオーバードライブ、"DS"側に振り切るとディストーションで、その中間の位置ではODとDISTの「ブレンド具合」を連続可変出来る、というのが特徴の製品です。

"OD"側に振り切った時の音はSD-1とOD-3の中間ぐらいの音でしょうか。SD-1よりも低音ある/きめ細かい/歪み量多いという音。
"DS"側はDS-2の"TURBO II"の音に似ていると思います。

この製品、ODとDISTの2台分入って1台分の値段だから、とくに初心者にとってお買得という紹介のされ方もしますけれど、たいていの人は、いずれODかDISTどちらかの専用機が欲しくなるに決まってるんだから、こんなどっちつかずの合いの子みたいのを買うのは無駄といえば無駄なわけです。しかし見方を変えると、
「買う側にとっての無駄な出費＝売る側にとっての儲け分」
なのかも知れず、まあ初心者の頃はこういうのに手を出してしまいがちではありますね。いずれは「卒業していくもの」という位置付けの製品……

なんですけど、一旦は卒業しても、手放したりはせずに手元に残しておいて、数年後にもう一度使ってみたら面白いかも知れませんですよ。思いっ切り歪ませるのでもない、ちょい歪みでもない、その中間のところを狙って、自分の楽器やプレイ・スタイルに合った、最適な設定を見つけ出せる人にとっては（そういう歪み具合を必要としてる人にとっては）、かなりの良品に化ける可能性があります。

普通の歪みものに比べて、（"LEVEL"以外の）3つのツマミ位置の「相関関係」がシビアなので、最適な設定を決めるのは難しいし、ステージ上でちょいちょいと設定を変えながら……みたいな使い方には向かないように思えます。

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ところで；
ボスの歪みエフェクターの内、カラー・キャップ/4ノブの製品は、このOS-2が1990年、その後1993年に"SD-2 DUAL Over Drive"が発売されて以降、もう新型は開発されていません。以前はターボなんとかとかメタライザーとか色々ラインナップされてた4ノブ歪みなんですが、そのほとんどは大体1999年頃までには販売を終了し、現行品として販売が続けられているのはこのOS-2とDS-2のみ。

ボスの4ノブとは、
★TURBO"ON/OFF"で1台で2台分の音色、だとか
★ディレイ＆コーラスとの複合機（メタライザー）、だとか
★あとはフィードバッカー
みたいな、全体に「多機能・複合型・ちょっとへんかも」な製品が多く、良くも悪くもボスらしさが最も発揮された製品群だったのですが、2001年から"TWIN PEDAL"シリーズが登場し、今後の多機能型歪みは全てこちらへ集約され、コンパクト部門ではもう二度と、こういう多機能型（というかおもしろ系）の新製品は開発されないように思われます。

そう考えるとこのOS-2は、4ノブ・ボス歪みの歴史の最終段に登場し、一応ロング・セラーを続けてる貴重な存在という事になるのかもなので、ボス愛好家の方はそこら辺も踏まえた上で、この製品と付き合ってあげませう。

メタゾネなどの黒色チームには4ノブの新製品があるんですが、あちらは多機能型とは別系統なので。

2008/06/06