Guyatone PS-004 FLANGER

発売期間:1980 or 81年からの数年間(だと思う)

PS-"00X"シリーズがカタログに初登場するのは1980年か81年。
シリーズの全機種が3ノブである事と、カラーリングが「艶消しの黒にシルク印刷2色(製品ロゴとコントロール名)」で統一されているのは、もしかしたら予算の都合でそうなったのかも。
フランジャーの他社製品は4ノブが標準だし、グヤも先代PS-107も4ノブ。なのにPS-004は3ノブ。

グライコはこのシリーズ中には含まれず、1バンドのみのパライコがラインナップされてます。その一方で、コーラスに付け加えられた"BRILLAINCE"コントロールは蛇足機能でしかないというちんばな状況が生じてます。

ちなみに"YAMAHA 01"シリーズにも採用されている「黒地にワン・ポイントのカラーリング」というデザインは、もしかしたらt.c.を意識したのかも知れません。この頃の「流行り」であったと。


フランジャーはタイプ的に、

・コーラスの代用品としても使えるおとなしめのもの
・金属的な変調音、いかにもなジェット・サウンドが得られるもの

の二通りに大別出来ますが、このPS-004は、

・どちらかというと「コーラスの代用品としても使える」系で、
・ただし変な癖があり「コーラスです」と言い切ってしまうには無理がある。
・変調は基音域にも掛かるので金属性の変調音はきれいに出てくれず。

というようなものでした。

他にちょっと変わった特徴として、これは
INPUTに何もつないでなくても、"COLOR"ツマミMAX付近で自分で勝手に発振し始めるフランジャー
でございました。

ただし電源がマンガン電池の場合は発振せず。アルカリ電池の場合は発振するけどちょっと弱め。ACアダプター使用の場合は盛大に発振。

発振音には音程があり、"WIDTH"ツマミでその音程の基本域を設定可能。"SPEED"ツマミで音程の上下モデュレート(=ヴィブラート)の速さを設定可能。一応「アメリカン・パトロール・カーのサイレン風」から「(おとなしめの)発狂ノイズ」までのバリエーションが可能。

発振音の音質自体は、シンセの矩形波?に軽くフィルターを掛けたような丸っこい音で、音量は無制限に大きくはならず、発振した後は一定の音量を保っています。

自己発振型フランジャーは、ジャンルによってはかなり美味しい物件で、それが不人気低価格のグヤで調達出来るなら好都合ですが、全てのPS-004が自己発振型かどうかは不明。これは個体差に依存……というか僕の入手した個体が不調品にすぎない疑惑が大なのがPSシリーズのクオリティなのでもあります。

もし基板上に半固定ボリュームが有れば、それを調整して発振する/しないの加減も出来そうなものですが、そして大抵のディレイとかなら基板上半固定Vol.でそこら辺の加減は出来るようになっているものですが、このPS-004ではどうだったか、確認せぬまま売却。

この個体のノブは、上面が梨地仕上げ風です。
PS-00Xにこのノブが使われている例を僕は他に知らず(上面はツルッとしたものがほとんどなのでは?)。シリアルナンバーは上2桁が「80」なので、これを製造年の西暦下2桁と解釈すると、これはPS-00Xシリーズの中でもとくに初期ロットのもの、という事になるかも分かりません。電池スナップもちょっと違っていました。


2006/11/25
(改)2008/03/28





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