HOT CAKE/OLD CIRCUIT

汚音(きたないおと)と書いて、おとと読む。

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ニュージーランド製のHOT CAKE
「ストラトには良くて、ハムバッカー向きではない」
と評価される事が多いみたいですが、僕もそう思います。

ストラトに良いということはテレキャスにも良いのかも知れませんが、僕はテレを持ってないので、その点は未確認。

ハム向きでないとは、どういう事かというと、ハムに通した時の歪みが、なんか「汚らしい」んですよね。HOT CAKEはディストーション・ペダルなのであって、オーバードライブ系とは違うから(宣伝文@HGではオ−バ−ドライブ・ディスト−ションペダルという曖昧表現が用いられてますが)、歪みの音色が多少汚くてもべつにOK、なはずなんですが、ハム+HOT CAKEの歪みは、普通の(というか日本製の)ディストーションの歪みとは異質な、そしてファズとも異なる、何とも言いようのない汚らしい歪みでして、なんというか、まさに

汚音とでも呼ぶしかない音

なのでした。

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「ストラトには良い」というのは、このペダルは音の「情報量」を増やしてくれるように思えるのです。歪む量は少な目で、正確には憶えてませんが、DRIVEツマミの9〜10時くらいの位置が、クリーンと歪み始めの境目だったと思います。そして、その歪み直前のセッティングの音が、

★左手で弦を押さえてる、その弦と指板の間の空気の量が増えたような感じがする
★低音巻弦のグリングリン感が強調される
★弦が震えるニュアンス(ビョーンとかペニョーンとか)も強調される

「強調される」というか、「弦が震えてるんだなぁ……

これがギターなんだなぁ

という実感が湧いてくるとでもいいますか。なかなか快感が深いペダルでしたよ。弦が震えてるという実感が湧くというのは、ある意味「音を拡大表示してる」とでもいいますか、つまりこれは「音の情報量を増やす」働きをするペダルなのではないかと。高級なマイク・プリを使った時の印象にも似ており、エンハンサーとかEQで作る効果とは全然違います。

だからこの製品は、常時接続にしても良いくらいの、上出来の製品なんだと思いますが、ストラト限定というのがちょっとどうかと(僕はハムは使わないんですが)。手放さなくてもいいんだが、売れば良い金額になるわけで、現金の方を優先してしまいました。


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そうやって手放してしまった後に思いだしたんですが、汚音の巨匠に、こういう人がいたなと。


Barney Kessel師

この人の、一体なにをどうしたらああなるのか、さっぱり見当が付かない独特の汚音が、フルアコ+HOT CAKEの組合せで再現できたりしないか、試してみれば良かったと後悔しております。

2008/04/06





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