Ibanez BP10 BASS COMPRESSOR |
発売期間:1980年代中頃のはずなんだけど、ネットでググってもイマイチ不明な10シリーズ。 BP10のコンプとしての基本的なキャラはマクソンとだいたい同じ(中身は日伸音波だから)で、 ・アタック遅め というもの。それがベース用として ・低域が(わりと)無くならない という風にチューニングされている製品。 その他、これもベース用という事を意識した設計なのかどうか、高域があまりコンプされないという特徴がありまして……「高域があまりコンプされない」というかほとんど「すっぽ抜け」なのは、もしかしたらわざと高域のコンプを弱くして、スラップで使った時のアタックや抜けを良くしたり、ドンシャリ感を強調しようという意図があったのか、それとも低域を補強すると高域が「おろそか」にならざるを得ないという、これは「回路の都合」にすぎないのか…… べつにどっちでもいいんですが。 このベース用コンプをギターに接続した場合、1弦7F付近より上の音域にはコンプは掛かりません。それでも3つあるコントロールはそれぞれ有効に作用するので、結果として 僕はマクソン"01"シリーズの方のベース用コンプ(BP-01)も持っていて、音的には完全に同じ。もしかしたらマクソンの方が更にパリっとした音(ホント微妙な差です)。
イバニーズ"10"シリーズのケースのデザイン、これは80年代前半に各社がこぞって作ったボス式の様々なバリエーションの内の一つなわけですが、その中では一番日本人離れしているとでも言いますか、とくに↓のアングルからの姿(ジャックのある側)はけっこうカッコいいと思います。輸出用ブランドという性格が強かったイバニーズですから、もしかしたらこのケースのデザインは、外国人の手になるものかとも思えたり。 ただその「アメリカ製品っぽさ」というのも、例えば 50年代の華麗なる流線型とか とかの方面のアメリカンではなく、 大ざっぱで な方のアメリカン・テイストを感じる故、これが日本人のデザインとも思えないという話でして(でもカッコいいと思うんですよ)。 ジャックの位置が側面ではなく"頭"の方にあり、それで側面がノッペラボウになってしまったのが「大ざっぱ」感を醸し出している最大の原因か。しかも3ノブ並びのチマチマ感とのバランスの悪さも絶妙で、こういうテキトー感が私の場合ツボなわけです。スイッチの支点の"針金"をちらっと見せて、耐久性についての懸念を「そこはかとなく暗示する」という技も使われています。 側面がノッペラであまりにも間が抜けてしまったのを(実用上には全く無意味と思われる)段差を付ける事で解決(かどうか)。
2006/12/11 |