Guyatone LG-880"MARROLY"

 グヤトーンLG-880"マロリー"は1974年に発売された製品。グヤ社の、70年代後半期のフラッグシップ機はこれなんですが(定価が一番高いという意味)、当時も今も人気は低く、生産本数はかなり少なかったと思われ、中古市場でも滅多に見かける事はありません。

・外観デザインのベースになってるのは、1950年代のグヤ社製レスポール・モデルシリーズ(LG-40/50等)。
・PUはこの機種専用の大型シングル。
・ペグはグローバー・ロトマティック。
・ブリッジはバダス(の日本製コピー、いわゆる和ダス・ブリッジ)。
・指板以外の木部は全てメイプルで、重量は4kg強。

70年代中期に流行った進歩史観に基づくハイテク重厚長大指向な楽器デザインと、50年代へ回帰しようとするアナクロニズムの奇妙な混淆、それがマロリー。
アンバランス萌えの金字塔をエレキの世界に打ち立てた名作
であると申せましょう。

 重量4kgというのは桁外れに重たいわけじゃないけど、体積:重量の比が普通のエレキと違うので抱えた時に違和感がある。また、ボディのへりが丸められておらず角張ってるので、体に当たる部分が痛い。ボディ・トップはアーチドではなく、真っ平らです。

 弦長は648mm。見た目はレスポール系なのにスケールはフェンダー。ヘッド角ありでバダス・ブリッジだからテンションはキツい。何を目指してたのかよく分からないエレキだよホントに。ネック幅はやや細めで握りは丸っこい。指板にはバインディングあり。


 大きな改造個所はありませんが、細かい部分では色々とパーツ交換を行ってます。まず、ブリッジはWilkinson製バー・タイプに交換@2010年の夏頃。材質はアルミです。私的にはどうしてもバダスの音が好きになれない。好き嫌いで言ったら現状の方が好きだけど、マロリーらしさは失われたとも言える。どうしたものか思案中ですが、いつでもオリジナルに戻せるのだから当分はWilkinsonで行こうと思ってます(このページの1枚目の画像は、ブリッジを交換する前に撮影したものです)。

その他;
・フロントPUの吊り下げバネを長いものに交換し、PU位置を目一杯低くセット。
・トーン用コンデンサをスプラグに交換。

スプラグはイマイチ合わないみたい。

 ノブがDAKA-WAREなのは、この画像を撮影した時の仮置き。オリジナルのノブは金属メッキした樹脂製で、ツルツル滑って全くグリップしないから実用性ゼロ。何か適切なものに交換したいので選定中。出来るだけオリジナルの外観を損ないたくないので、Teisco Kシリーズ用ノブが候補。ペグも交換したい。私は「ペグは軽ければ軽いほど良い信者」なので、GOTOHの新製品"ステルス・キー"を試してみたいなと思ってます。

2010/10/31


2012年9月7日 ペグをGOTOHのステルス・キーに交換しました。

表から見る分には、とくに変わった所もないペグ。

裏から見ると、良くも悪くもインパクトありまくり。というか、交換した直後は違和感が激しかったです。すぐに見慣れましたけど。

GOTOH STEALTH-KEY
型番は、ST31-SB-2-3:3 Chromeという事になるのかな。

 ロトマチックからのリプレイスなので、ヘッドにはφ10mmの穴が開いている。しかしステルス・キーのギア・ケースは幅8.4mmなので、元の穴が隠れ切れてません。どんだけちっこいのかと。
 本当はキチンと元穴埋めてから、ジャストサイズに開け直した方が良いんだろうけど、ヘッド角度ありのセット・ネックに対してそういう工作を行うのは面倒だし怖い。まあ現状でも、とくに困るような事はありません。

元々付いてたグローバーのペグ、重量は290g(取付ネジ6本含む)。
対して、ステルス・キーは101g(コンバージョン・ブッシュ、取付ネジ12本含む)。約1/3ですね。

ロトマチックからの交換なので、コンバージョン・ブッシュを用いてます。これは肉厚なので、けっこう重い。ステルス・キー用の純正ブッシュを用いるなら、総重量は89gです。

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ペグ交換のついでに回路方面にも手を入れました。まず、トーン用コンデンサをMATSUSHITAペパコンの.05に交換。

コントロールを1V/2Tにし、ボリューム用ポットは500KΩ/Aカーブに交換しました。
オリジナルの2V/1Tよりかは、自分的にはこちらの方が使いやすい。でも本当は2V/2Tが一番かも。

コントロール・ノブは、ホフナー用のレプリカに交換しました。

見た目と機能の両面で、今のところマロリーにはこのノブがベストの組合せです。

 形状が逆テーパーなので、小指でボリューム操作する時にすっぽ抜ける心配がない。それが機能面での優れてる点。
 見た目に関しては、この50年代風のデザインが、やはりマロリーにはよく似合うと思います。

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 今回の改造で、仕様的にはほぼ満足できる状態になりました。あとはPUセレクタが、本当はレバー・スイッチの方が良いんだけど、見た目的に違和感のないレバーを探すのが面倒だという事もあり、これはまあこのままでもかまわないかなと思っております。

(改)2013/01/13

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2013年12月追記;

 アウトプットジャックの取り付けプレートをエレクトロソケット型に交換しました。ALLPARTSブランド等が販売してるのはアルミ無垢材削り出しだと思うのだけど、私が購入したのはメッキされてるしダイキャスト製かもしれない、パチモンくさいNB品。ただ、下穴径が22mmでマロリーとジャストサイズだし、機能的にはダイキャストでも大差なかろうと考えこれを採用。

 マロリーにもともと付いてたプレートはプレス成形の2点止めで、剛性が若干頼りず、プラグインした時に若干グラつく感触があった。それは気分的に良くないですから、ガッチリしたものに交換したかった。ガッチリしてさえすれば何でもよかったんだけど、目新しいパーツを試してみたい気持ちもあるからエレクトロソケット型にしてみました。使用感は良好です。

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 フロントPUに防振対策を施してみました。マロリーに限らず、いわゆるビザール系エレキのPUの多くはワックス含浸その他の防振対策がされておらず、PUをコツコツ叩くと、その音がそのまま出力されてしまう。とくに私はフィンガーピッカーで、弦より下側に指先が入り込む度合が大きい(からなのか)、PUカバーに指先が当たるノイズには困らされてます。
 ですので今回試みた防振対策の目的は、大音量で鳴らした時のフィードバック対策等ではなく、コツコツ音の軽減です。とくにマロリーのPUは、カバーの表面が梨地仕上げなため、爪先がカバーを引っ掻くとカリカリ大きな音がする。
カバーと中身の間に大きな隙間がある(というかけっこうガランドウ)なのも、ノイズを大きくしてる一因かも知れません。

 細工したのは二個所。コイルボビンの上面に厚さ2mm程のウレタンスポンジを貼り付け。カバー内側の、指先が当たりやすい位置にもスポンジを貼りました。

 以上の結果はどうだったかというと、とくに変化なし。まあカリカリ音がコリコリになったかなくらいの微妙な変化はありますが。
 やはり、PUカバーとポールピースが接触しててはダメなのかな。とはいえその点を改してしまうと音色が大きく変わる可能性があるので、それはしたくない。
 という事でこの改造作業は失敗だったですけど、再度PUを分解して元の状態に戻すとか、あるいはもっと入念に防振材を詰め込むとか、そんな事は面倒だから当分はこのままで使ってみます。PU内部ではなく、カバーの表面にゴム板を張り付ける等の事をすべきかなとは以前から思ってるのですけど、外観が変わるのは極力避けたい。私にとってマロリーはどちらかというと、音云々よりも見た目が大事なエレキですから。

(改)2013/12/24

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■弦交換の記録

 銘柄コメント等
2010/夏〜D'Addario EXL-125
009〜046
いつも張り替える度に、009にするか010にするか悩んでしまう。010だとテンションがチトきつい。009だとヘナヘナ。音色的には010の方がきれいだけどノッペリする。090だとクニャクニャ。
ネックの状態・ロッドの締め具合でもテンション感は変化するしで、なかなかちょうど良いところを見つけられずにいます。結局のところ、マロリーはあんまり弾きやすいエレキじゃないって事で納得。

次回はDean Markleyのジミヘン弦009〜にしてみるかも。

2014/08/30〜Dean Markley Vintage Re-Issue
1972
009〜042
弦を張り替えるの4年ぶりってマジですか?流石にそれはひどすぎかも知れません。ですがDean Markleyのこの弦を買ったのも3年くらい前のような気がする。今調べてみたら、これ既に販売終了のようで、少なくとも日本の業者で扱ってる所はないみたい。となると、うっかり好きになったりしないよう気を付けなくてはいけない。ジミヘン弦も好きだったのに廃盤になってガッカリさせられた。まあ、弦なんて何を張っても大差ないですけどね。

なお以前の記事では、マロリーは弾きにくいとか009か010かで悩むとか書いてましたが、今では全くそういう事はない。普通に弾きやすいです。だからゲージもなんでもOKなのだけど、今回はたまたま(というか数年前から)手元にあって、いいかげん開封しなきゃなものを張ってみたまでの事です。

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