パーカッションいろいろ

 KORG WAVEDRUMは偉大な発明品ですけど「万能の具」ではないのであって、パーカッションも種類によっては、やはり本物の方が良い場合もある。基本、近所迷惑にならない程度に音量が小さければ、本物を使った方が良いかな。

 音量の小さいパーカッションをライブ演奏で用いる場合は、PAが面倒だし、持ち運びやセッティングに手間が掛かるし、紛失や破損のリスクもある。だからライブ用機材としてのWAVEDRUMについて言うなら、これの小物系パーカッションにも充分、実用性はあるに違いない。
 しかし、私にとってのWAVEDRUMは宅録機材なので、小物パーカッションは本物の方が良い、という判断になる。つまり音的な理由でWAVEDRUMの小物パーカスはダメだとか、そういう風に思ってるのではないんだけど、ただまあ、編成の薄いアレンジや音量小さめの楽曲でWAVEDRUMの小物パーカスに重要な役目を担わすのは、やはり少々キビしいかなとは思います。

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Pearlのマラカス。2012年3月、WAVEDRUMと同時購入。

 WAVEDRUMの製品デモ・ムービーを見て、これはステキな製品に違いないと思う一方、WAVEDRUMには「シェイク」を表現するための機構は備えられてない。だからWAVEDRUMを使い始めたらまず最初に、シェイカー系の種目に対する不満が生じるであろう。
 という予測に基づいて、WAVEDRUMと一緒に「ついで購入」したのです。

 自分の趣味嗜好からすると、マラカスが前面に出てくるタイプの音楽ジャンルを宅録する機会は、あまり多くはなさそうだから、その点ではマラカスは私にとっての必需品ではないのだけれど、マラカスを練習するのは楽しいんじゃないかな。けっこう難しい楽器なんですけど「出来るようになっておいて損はない」ものだと思うのですね。スネア・ドラムをブラシで擦る(こする)奏法(Swirl)の上手下手は、マラカス経験の有無で違ってくるかも(Swirlはシェイクだ、と言えなくもないから)。

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LPとTOCAのシェイカー。2012年9月購入。

 TOCAのエッグ・シェイカーについては、とくに説明すべき事もないと思います。ごく当たり前のエッグ・シェイカーですね。
 LPの黄色いプラスチック・シェイカーは2012年に発売された新製品で、型番はLP441T-S。黒い部分に連結器があって、2本を合体させられる。最近こういうのが流行ってるみたい?他に赤と青があって、中身の粒の大きさが違えてある。黄色は一番細かい(soft)。

 エッグ・シェイカーは、刻むのに向いてる反面、ストロークの長い動きは表現しづらい。黄色いLPの方はその逆に、角を立てずさやさや振るのに向いてる。だからこの2つを持ってればたいていの状況に対応できる……んじゃないかと考え、こういう取り揃えで購入してみたのです。

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ヤマハ製のタンバリン、TMB-224。10インチ8ジングル。2012年の夏頃に購入。

 タンバリンも難しい楽器だし(テクニックが多彩)、お値段もそこそこするものだしで、出来ればこれはWAVEDRUMで賄いたい種目だったです。そこでWAVEDRUMを購入して以来数ヶ月、WAVEDRUMのタンバリンがどの程度使えるかを試行してみたのですが、残念ながら「本物を買うしかない」という結論に到りました。

 WAVEDRUMにはシェイクを表現するための機構が無いのは最初から分かってましたけど、
「タンバリンとはシェイクする楽器である」
という認識が、私には欠けてましたね。モータウンやビートルズといった往年のパーティ・ミュージックでのタンバリンの使われ方を改めて聴き直してみたところ、そういった曲中で使われてるのと同じタンバリンの音をWAVEDRUMで出すのは、どうやら無理のようです。
 ハイハット・スタンドにモンキーを取り付ける式のタンバリンなら、WAVEDRUMでもけっこういい感じでシミュレート出来るんだけど、それ以上は求められない。マラカスと違ってタンバリンは、自分の趣味嗜好的にも重要な楽器だという事もあって、やはりこれは本物を所有しておくべきなのですね。

赤いモンキー・タンバリンは道で拾ったもの。メーカーは不明。
 一度、ヤフオクにスタート価格¥100で出品したけど買い手が付かなかったという「いわく付き」の品物。ダブル・ジングルで、ジングル自体の音はけっこう良い。ヤマハの皮つきがシングル・ジングルで、モンキーがダブルという組合せは良いバランスだから、売却出来なくてむしろ幸いでした。

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Rhythm Techというブランドのトライアングル。6インチ。21世紀初頭の頃に買ったように記憶してるけど、詳細は忘却。

 トライアングルの標準サイズは8インチですけど、私はちょっとお金をケチって6インチを買いました。今ではとても後悔してます
 だったら8インチを買い足せば良さそうなものだけど、トライアングルだって、それなりの品質のものはそれなりのお値段がするわけで、それに現状の6インチでは使い物にならないとか、そんな事は全然ないのだし、今から8インチを買い足して手元にトライアングルが2つ揃うのも邪魔くさいしで、ともかく、
「最初に楽器を買う時は少々割高でも標準仕様のものにする事」
これ鉄則。

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KIKUTANIのギロ。2005年頃に買ったように記憶してるけど、詳細は忘却。

 WAVEDRUMのギロ系はけっこう良いんですけど、でもやはりというか、本物の方が良いです。とりあえず本物の方が、ギザギザ部分が長いので扱いやすい。

 それと、本物のパーカッションを録音する場合は、マイクの種類と立てる位置を調整する事で、簡単に音質調整出来る。もちろんそれで常にベストの結果が得られるのではないけど、シンセのエディットをするのと、マイク位置をあれこれ試すのとでは、どちらの作業の方が楽しいか?(ストレスが少ないか?)私はマイク派です。
 ギロは比較的大型なものであるし、共鳴胴を持ってるし、空気抜きの孔もある。だから他のパーカッションと比べて、マイク位置によって音質が変化する度合が大きいのでもありますね。

 夜中に大急ぎで録音しなければならないとか、ライブでちょっとだけギロを使いたいというような場合には、WAVEDRUMを使えば良いわけです。

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ブランド不明の拍子木と、Schlagwerk Percussionというブランドのクラーベス。

 Schlagwerkのクラーベスは合成樹脂を含浸させたタイプの製品で、やたらと音が大きくピッチが高い。これは以前、私がビック・バンドでベースを弾いてた時に購入したもので、ビック・バンド内で使うには丁度良い音量でしたけど、宅録ではあまり役立たなさそうに思えます。

 拍子木は、中学だったか高校だったかの頃に買ったものだから、それなりに年代物です。アタックの柔らかい湿っぽい音質なんだけど、ピッチは高め、残響はやや長め。2-3とかを叩くには全く不向きなもので、今のところは何の使い道も思い付けないアイテムです。

LPのカウベル、LP229-MAMBO。ベル長22cmで、けっこう大きい。

 これも以前バンドをやってた時に買ったもので(2004年)、キック・ペダルに取り付けて、ベースを弾きながら2-3をストンプするために用いてました。宅録用としてはデカすぎるんだけど、カウベルは1〜2小節分のパターンだけ録ってループさせる、という使い方でもまあまあOKな種目だから、これは案外、宅録での使い道もあるかも。

2012/09/04
(改)2012/10/05

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