ブランド不明のストラト・コピー

メーカー不明のストラトキャスターのコピー品です。2011年の夏頃に購入しました@ヤフオク。
パーツ類も全てメーカー不明の安物でしたが、それらは2012年の春頃に全交換しました。
更に2013年7月、ネックを交換しました。左利き用のリバースヘッドです。
現状の仕様は以下の通り。

ネックメイプル1ピース
ボディたぶんアルダー PUザグリはH-S-H 分厚いポリ塗装
PUVan Zant True Vintage(YAMAHA SR-700から移植したもの)
トレモロ・ユニットWilkinson WV6SB
サドルGraph Tech String Saver PS-8000-00
ナットGraph Tech String Saver
ペグGotoh SD91(ノーマル軸)
Vol.のツマミHofner バイオリン・ベース用レプリカ

ネックを交換する前の画像も貼っておきます。

 ボディの塗装が一部剥がれているのは前の所有者がレリック加工の練習台にしたから、なんだけど、実際のところは練習というよりやりかけ状態。そのくせバーナーで焼け焦げは付けてある。ヘッドに張られたFenderデカールは偽装品で、それが「かろうじて読み取れる」ところまで削り落としてあるとか、あとはお約束の「タバコの焦げ跡」とか、いろいろ痛いナニがアレしてある。そんな状態で捨て売りされてた物件だったです。

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 当サイトでは開設当初から、という事は10年も前から「私の所有してる全てのフェイザーの比較録音を行う」というのを大きな課題として掲げてきたのですが、そしてそれがいまだに手付かずなままなのですが、ともかくその作業のためにはレファレンス機が必要。YAMAHA SR-700はセン材ボディにWilkinsonのトレモロ・ユニットを載せた、あまりストラトらしくない見せかけコピーですから、比較録音用には、もっと普通の仕様のを用いたい。という理由から、このストラト・コピーを購入したのです。
 ヤフオクに売り出されてた時の説明文によると「ボディ材はアルダー」との事で、しかし正体不明のコピー品なのだから本当のところは分かりません。そもそも「アルダーって何なんだよ?」という疑問もあるのですけど、少なくともネック・ポケットの木地を見る限り、センやアッシュでない事だけは確かで、どちらかというと軽めで柔らかい広葉樹だから、まあ概ねアルダー。米国産の材じゃないとしても、カバ(樺)の仲間の何かなのでしょうたぶん。しかしそういうような事よりも現状、このギターは私にとっての「ストラトらしい音」で鳴ってくれてるので、自分的には十分満足できてます。

 なるたけ標準仕様なストラトを求めてるなら、リバースヘッドとかGraph Techのサドル&ナットなんて止すべきですが、まずグラテクに関しては、それがフェイザー比較に際しての大きな支障になるわけがない(と決めつけ)、グラテク信者であるところの私の好みを押し通す事にしました。

 ネックが何故こんな事になってしまったかと言うと、まず元々付いてたネックは板目材のなかなか良い品物だったのですが、1弦が指板落ちし易いという欠点があった。その原因は、ナットの溝切りが悪いか、ネック→ブリッジのセンターが合ってないかのどちらかで、取りあえず直し易いのはナットだから、まずこれを交換してみる事にした。
 そしたらなんと、これの前オーナーはナット溝の全面に接着剤を塗ってガッチリ貼り付けてたのですね。そんな事されたら、ナット交換が出来ません。
 だからこういう、なんちゃってレリックをやらかして中途で放り出すような手合いはやはりとてつもなく脳みそが少ない生き物なんだなという事をつくづく実感させられた次第ですけど、それで少々アタマに血が昇り、無理にコジって取り外そうとしてナット溝を少しチップさせてしまうという痴態を演じた私も、オトナゲの無さでは似たようなものかと、いたく恥じ入る2013年の春であった。結果的にナットは外せず、ナット溝は破損し、このネックはもうオシャカですわ。

 しかし私の家には運良く(というか)、リバースヘッドのストラト用ネックがあったのですね。これは一体いつ買ったのか、もう思い出せないくらい昔から所有してたもので、しかしどこで買ったかは憶えてる。お茶の水のイシバシ楽器が、まだリハスタ経営もしてた頃、そのリハスタの入ってるビルの一つ下の階が中古コーナーで、そこで買いましたっていう、妙なところだけ具体的な記憶でして、それはひょっとすると私がまだ10代か、20才そこそこだった頃かも知れない。となると約30年前の品物です。値段はたしか¥1,000程度で、それだけ安いのも納得のいわく付きパーツなんだけど、わたしはこれがけっこう気に入ってて、いつかちゃんと使ってやろうと思ってた。ちゃんとは使ってやりたいが、標準仕様のストラトを求めてる今回には不適である。だけど、ネックだけをヤフオクの中古で買い直すのは色々リスキーである。ボディに合う合わないとか、品質がどうも良くないとか、そういう問題が起きやすい。そういうリスクを避けて安全な買い物をしたいなら、数万円の出費が必要で、しかしヤフオクで捨て売りされてたポンコツを格安購入して、それをリペアするのに数万円も掛けてたら、一体なにをしてるのか分かりません。だったら「標準仕様の」という方を若干基準緩和する事にいたしましょう。という事で、

リバースヘッド仕様の採用となったわけです。むしろ私としては、このネックを使う機会が生じたのは嬉しい事なので、そうなると標準仕様がどうとかの方は、もうわりとどうでもいい感じ(なんて言ってちゃいけないですけどね)。
 実際、リバースヘッドは、とくに低音弦の鳴り方が右ヘッドとはかなり異なります。私は基本、ストリング・リテイナーは使わない派ですけど、このヘッドにだけは必要。5〜6弦の振幅がとても大きくて、ごく軽く弾いただけでもばよーんと膨らんでバズりまくる。リテイナーを付けるとそれが抑えられる。とはいえ、低音弦がそういう鳴り方をするのがリバースヘッドならではの特徴だから、なるたけそれを活かすよう、弦高を極力高くして、バズらなくなるギリギリの位置(なるたけナットから遠い位置)にリテイナーを付けてある、という現状です。
 私は基本リテイナーは使わない派だから、手持ちパーツの中にはカモメ型が少々と、現在付けてるこの不格好なローラー式のくらいしかなかった。カモメ型は絶対にイヤなので、仕方なくローラー式のを付けてます。これはいずれ交換したい。

 ヘッドの上面が茶色いのは、チークの(オークだったかも知れない)ツキ板を貼ってるからです。このネック、もともとはロトマチック型のペグが付いてたもので、本来のポスト・ピッチはクルーソン用より広いのです。しかし私はクルーソン型を付けたいので、もとの穴を埋めて、クルーソン・ピッチに開け直しました。という作業をしたのもかなり昔の事で、その頃の私の工作は雑で見た目が悪く、精度も低い。その他、なんせこのネックは所有年数が長いですから、色々やらかした傷跡がたくさん残ってる。それらを全て隠すためにツキ板を貼ったのです。

 ペグはゴトー製クルーソン・タイプ。3弦と4弦の間にちょっと隙間がありますでしょう?いろいろビミョーなんですわ。
 材はほぼ板目で、かなり軽量です。他のネックと計量して比べたりはしてませんけど、ネック単体で持ってみた感じでは、とても軽かった。
 グリップは三角で、幅はやや狭め。ネックエンドの幅も狭めなので、ジョイントポケットに若干の隙間ありです。

 ナットはグラフテックのPT-5010-00。フラットボトムでE to Eが34.59mmのもので、それをあちこち整形し直して装着。
 ツキ板に白い横縞があるのは、タモ色のパテで目止めしたからです。茶色い木材の色に合わせるべきかとも思いましたけど、結果的には模様っぽくなって、これはこれでOKかと思います。表面にはクリアラッカーをそこそこ厚めに塗り、仕上げ研磨してあります。

 ヘッドの付け根、ナットの真裏辺りの形状が、画像で見ての通りちょっとおかしいでしょう?先に書いた、このネックがいわく付きだというのはこの事です。普通ここは、段差になってるというか、ヘッド表側の曲線とほぼ平行なラインを描いてるものですけど、このネックは、ネックグリップの頂点とヘッド裏の平面とが、直線でつながってます。だから当然、ローポジションのグリップは不自然なほど太いです。
 他の個所は、とくに変な点はないのです。素人工作で作ったレベルの加工ではなく、フレット、ロッドを隠す埋木、塗装など全ての工作はちゃんとしてます。なのにヘッド裏の形状だけがおかしい。しかもそれがネック単体で、楽器店の中古コーナーで売られてた。なぜだ?わけがわかりません。
 70年代初期のはんぱコピー期に、こういうオマヌケな製品を作ってた工場があったのでしょうか?

 ただ、これのせいでローポジションが弾きにくい等の不都合は全然ないのです。

サドルはグラテク。
Vol.ノブはホフナー・コピー。
ピックガードは、PUごとYAMAHA SR-700から移植したものです。
 ホフナー型のノブは、小指で操作する、いわゆるバイオリン奏法がとてもやりやすい。逆テーパーなので、指がすっぽ抜けないのです。見た目も好き。私にとってのベストのノブです。
 ちなみに私はフィンガー・ピッカーですからピックは使いません。しかしストラトのピックガードにはピックを挟んであります。見た目上の「彩り」ですねというか、日頃ピックを使わないだけに、かえってこれをやってみたいという、軽い厨二病みたいなものです。

 クリーム・ホワイトにリバースヘッドのストラト。そして裏面にはこのステッカー。わかりやす過ぎる組合せですね。しかしこれ、現状Dean Markley のジミヘン弦を張ってるから、それのオマケのステッカーをメモ替わりに貼ってるだけです。いや、私ももちろんジミヘン大好きですけど、このストラトはジミ系の事をするためのものではなく、フェイザーを掛けた歪み無しの音でバッキングするのが主たる用途。
 だからトレモロもほとんど使わないだろうと思われ、だったらスプリングは5本でベタ付けセッティングにするべきなのかも知れませんが、私は「トレモロ・ユニットは浮いてないといけない」派なので、現状のようなセッティングです。

トーン用コンデンサはHuman Gearのネーム入りオレンジドロップ。

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 もともとがパーツ寄せ集めのノーブランドコピー品ですから、当然ヘッドには何のロゴも入ってません。しかし私は、どんな楽器でも無銘というのはいただけないと思うので、だからただの模様でも良いから、何かしらの1ポイントは入れたいと思ってます。入手した直後は、

これ系を貼りたい気持ちもあったのだけど、ヘッドが濃い茶色だと、たぶん金か銀のモノトーンしか似合わない。どうしたものか思案中。

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2013年11月23日追記;

ヘッドのストリング・リテーナーを金属製の物に交換しました。

ナットから出来るだけ遠くに、ごく浅い角度で軽く押さえてるだけですけど、これが有ると無しでは大違い。

ローラー式ではないです。円筒に溝が掘ってあるだけ。

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ついでに、このストラト・コピーにもともと付いてたノーマル右用ネックについて。
 ナットを外そうとしたら接着剤がベッタリでどうこうの件ですが、後日改めて気を取り直し、ナットを丁寧に取り除きました。作業跡はちょっと汚いですけどね。

 ペグ側1弦部分の「土手」をチップさせてしまったのだけど、それはアロンアルファで貼りました。亀裂筋が残ってしまいましたけど、問題なく使用可能な状態に戻す事が出来ました。

 とまあせっかく復活させたのだけど、もはやこれは用無しの品物です。わりとちゃんとした板目材でモノは悪くないんですが、私はリバースヘッドの方を非常に気に入ってしまったので。この旧ネックは、そのうちヤフオクで売却するつもり。

2012/11/02
(改)2013/09/23
(改)2013/11/23


■弦交換の記録

 銘柄コメント等
2012/春〜1セット¥100くらいの激安弦
009〜042
まだ各所調整中なので、とりあえずの仮張り。
2013/07〜Dean Markley RN-RR
R&R 09-38
このジミヘン弦、もう販売終了してしまったんですね。好きだったのにガッカリです。いつだったか渋谷の大型楽器店で、これの店ざらし売れ残り品が1セット¥400くらいで捨て売りされてたんだけど、それがつまり販売終了した頃だったのかも。それで私は、その場にあったありたけをまとめ買いしたのです。
 普段の私なら、ネック交換などという大幅改造した直後はまず激安弦を張って様子見にしますけど、まとめ買いしたジミ弦はどんどん使わないともったいないので(いや実は店ざらし品なだけあって、若干サビが出てるのもあるのです)。
買いだめ分を使い切った後は、いったいどうしたら良いのだろうか?

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