Teisco DT

テスコの8弦ダブル・ネックのスチール・ギター、DTです。入手したのは2012年の後半か、2013年になってからだったかも(よく憶えてない)。ともかく、私が持ってるスチール・ギターの中でも一番最後の方に入手したものです。実用品としてもコレクターズ・アイテム(レア物)としても、いろいろ買い集めた中でのこれが決定版。

・弦長は582mmのロング・スケール(アメリカ規格のロングよりかは4cmほど短い)
・ボディ・サイズは808×310mm
・ボディ厚は手前が40.5mm、奥は一段高くて47.5mm
・ボディ材は、たぶんラワン
・重量は8kg弱
・(奏者から見て)手前が2PU、奥が1PU
・2PUのMixポジションはシリーズ接続
・コントロールは両ネック共用の1V/1T、それとネック切替スイッチ
・ナット、ブリッジ共に金属の無垢材

 以上、仕様的に(テスコとしては)申し分ない製品ですし、見た目的にも、すこぶるかっこよろしい物体です。ボディ上面にはメラミン板か何かの化粧板が貼られ、エッジはセル巻きされてます。

 製造年は、リットーのビザール本によると「Dという型番が登場するのは1963年から」。ですが、Dシリーズのボディ材といえば大抵がランバーコアですが、このDTは違います。樹種は正確に判別できませんが、たぶんラワン。62年まではランバーコア材ではないNシリーズというのが発売されてましたから、DTが製造されたのはNからDに切り替わった直後、つまり62年の末か63年という事になりそうです。

 重量は8kg弱もあります(私が持ってるデジタル計量器の測定上限を越えてるため、体重計を用いて量りました。なので正確な数値ではありませんが)。
 当然、膝に乗せて弾くのは無理です。ボディ裏面にはスタンド(脚)用の受け金具が3つ取り付けられてましたが脚は欠品なので、受け金具は取り外し、組み立て式のスチール棚(ルミナス)でちょうど良い高さの台を作り、それに乗せて弾いてます。


 ところでこの製品、ネック切替スイッチのプレートには"T.W"と記されてます。。

 しかし、ボディ裏面に貼られた型番シールは"DT"。一体どちらが本当の型番なのか?なんて詮索をテスコ製品に対して行ってもしょうがない。万事テキトーな会社ですから。
 実は、1961年版のカタログには"TW"というダブル・ネックのスチール・ギターが載せられてるのです。しかしそれは、DTとはPUの形状やアウトプット・ジャックの位置が異なり、明らかに別製品です(ボディの形状はほぼ同じのようですが)。"DT"という型番シールが貼られてるなら、つまりこれはDTなのでしょう。スイッチ・プレートは以前からある物をそのまま流用したのだと思われます。ボディ自体も、61年製の余剰在庫かも。

 なお、ネック切替スイッチは、レバー式ではなくトグル・スイッチの方が使いやすいと思う……というより、このレバーはマロリーに似合うと思う(マロリーのPUスイッチがレバー式なのは使用上問題ない)。だから本当は交換したいのだけど、このレバーを固定してるネジの頭が潰れてしまってるため、分解できないのです。いや、無理にでもこじ開けるような事をすれば分解できますけど、現状は接点不良など生じてないのだからそれをガタガタ弄りたくはない。なので当分はこのままです。

2015/01/06


■弦交換の記録

 銘柄コメント等
2013〜ブランド不明の激安弦 入手後に分解清掃して、今はまだ取りあえずの仮張り。ゲージは、手前側が、
052w-042w-032w-024w-017-016-011-009
で、チューニングは
G-B-D-F-A-B-E-G (G13)
奥側は
046w-042w-032w-024w-019-016-011-009
チューニングは
D-A-D-F#-A-C-E-G (G11)
という状態なのだけど、実は、このDTがあれば8弦シングルは不要かなと思い始めてる。なので、それを手放してWネックの手前をC13、奥をG13という組合せにするかも。

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