Teisco Model-S

テスコの1950年代製のラップ・スチール、Model-S

・弦長は518mmのショートスケール
・重量は約1.4kg
・1PU, 1V/1T
・PUはRib PU

 これを入手したのは、たしか8弦ロングを入手した少し後だったと思うのだけど、その8弦ロングを入手したのがいつだったかを憶えてないので(2012年の夏頃?)、つまりこの6弦ショートの入手時期も忘却です。

 私は8弦ロングを持ってるのだから6弦は無くてもかまわないのだけど、Model-Sはショート・スケールな上にボディも1.4kgと軽いから音はペラペラで、8弦ロングとはキャラクターが大きく異なる。それでかえって、これはこれで使い道がある(ような気がしてくる。ちなみに、8 弦ロングの重量は3.3kg)。あと、Model-Sは見た目が可愛い。つまり、マスコット楽器の一つとして持っていたい物なのでもあります。

 テスコにはEG-Rというラップ・スチールがあって、Model-Sと同じ、Rib PUが載せられてます。

Teisco EG-R
初期のテスコを代表する製品。50s風の流線型デザインのボディは黒漆で塗装され、天然貝の象嵌が入れられている。金属プレートも大型で、装飾性の高い高級品。ただ、ショート・スケール/軽量ボディ/Rib PUという仕様はModel-Sと同等で、つまり音の方はペラペラ。

 私は以前、このEG-RのPUをYAMAHA SG-1000に移植してみたいと思ってました。どんな音になるか興味があったし、それより何より、Rib PUを載せたソリッド・エレキは見た目がカッコいい(に違いない)。
 ただ、EG-Rはコレクターズ・アイテムな機種でもあるので、それをパーツ取りのために分解するのは気がひける。どうしたものかと思ってるうちにModel-Sを入手。PUの両脇の金属プレートが、Model-SのはEG-Rより小型だからこちらの方が移植し易いし、Model-Sなら(EG-Rよりも廉価な製品だから)パーツ取りに使っても惜しくない。ならば、EG-Rはオリジナル状態のまま保存し、Model-Sをバラす事にいたしましょう……という所まで一時は計画が固まってました。しかしその後考えを改め、そういったのは一切「なし」にしました。
 その理由はSG-1000の記事の方に書いた通り。興味本位の改造をして楽器2台をオシャカにするなんてバカもいいとこで、それよりか、オリジナル状態のままでの使い道を工夫するのが良いに決まってる、という事です。


 ボディ材はランバー・コアではありません。樹種は不明ですが、軽くて柔らかめの木材です。スチール・ギター用としては軽すぎるので、最初にも書いた通り音質はペラペラです。しかもRib PUはメカニカル・ノイズを拾いやすいので、耳障りなカリカリ成分も目立ちます。ですがトーン・ツマミを絞れば、その欠点はだいぶ緩和されます。なのでこの機種は、トーン=半絞りで使うのが標準の設定になります。


 オリジナルのペグは精度と安定感が悪すぎるので、GOTOH SD90に交換しました。見た目的にも、オリジナルのやや大型で角型のツマミよりも、小振りな楕円形のクルーソンの方が似合うと思う。
(このページの1枚目の画像は、ペグを交換する前に撮影したものです。)

 60年代までの日本製エレキのヘッド厚は、アメリカ製のよりも厚い事が多い。Model-Sは17mm。クルーソンの3+3ペグは15〜16mmのヘッドに合うように設計されてますから、それをテスコに用いると1〜2mmほどポスト長が不足します。わずかな差なのですがその結果、弦を通す穴がヘッド上面ギリギリ。なので、弦をポストの上方に向けて巻き付けていくしかない。あまりよい気分ではありませんが、オリジナルのペグを使うよりはマシです。


Model-Sのペグ・ポストの間隔はクルーソン規格よりわずかに狭いので、ベースプレートのトガリを少しだけ削って装着してます。

2014/12/16


■弦交換の記録

 銘柄コメント等
2014/11〜D'Addario EHR320
009〜042
ダダリオのハーフ・ラウンド弦。Teisco Model-SのPUはメカニカル・ノイズを拾いやすい。だからスライドバーが巻弦を擦る(こする)音も、ちょっと耳障りすぎる。なので、それが多少は緩和されるかと思い、フラット弦に近い物を張ってみました。チューニングは今のところ、
G-C-G-Bb-C-E
という変則。
2014/12〜D'Addario
012〜018

EHR320
前月に新品弦を張ったばかりなのですが、この楽器をブルーグラスのドブロ式にチューニングする事にしました。つまり
G-B-D-G-B-D
EHR320のままだと上3本が009〜で、これはテンション緩すぎ。5〜6弦は良好。4弦=024は緩めだけど多少バランスが悪いくらいはしょうがない。ハーフラウンドのバラ弦って売ってないし。なのでプレーン弦だけを交換しました。
042w-032w-024w-018-014-012
という組合せ。

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