thumb A5 copy、入手経緯と裏板リペア |
私がこの楽器を入手したのは、2011年の春頃です@ヤフオク。ボウル・バック・マンドリンなら国島のを持ってるけど、 ・ポップス用としては、演奏性が低い 等々の理由があって、フラット・マンドリンも欲しかったのです。とはいえボウル・バックを既に持ってるのだから、無くてもかまわないのではある。ただ、どうせ買うなら総合板の安物入門機などではない、ある程度ちゃんとしたのが欲しい。 なので、その不具合個所はすぐにショップに持ち込んでリペアすれば良かったのだけど、これ系の専門店といえば神田小川町のカワセ。しかし私はちょっと訳ありでカワセには行きたくない。となると別の店。どこがいいだろうか……なんて事を考えてるうちに数年間放置してしまいました。まあ、是非とも大急ぎで直す必要もなかったのではあります。それで結局、自分でリペアしました。2014年の秋に作業を開始し、2015年の1月に修理完了しました。
リペアの内容は「剥がれてる個所をタイト・ボンドで接着する」というだけの簡単な作業です。しかし、(おそらく裏板が剥がれた状態で弦が張られてたため)ボディに変形が生じてました(側板が外側に傾斜)。だから、その変形を矯正しつつ貼り合わせなくてはならず、そのためには、それが可能な治具=長さ30cm程度の強力なハタガネが必要です。ですが、そういうのは買うと高いし、どのみちそれをこの作業に最適化させるための当て木を別に用意する必要がある。なのでハタガネそのものを自作しました。必要な材料は、 ↑の画像は、ハタガネを仮組して矯正が上手く出来るかを確認してる時に撮影したものです。実際に貼り合わせる時は、更にもう一つのCクランプで、ボディ・エンドを締め付けます。2つのトガリがあるおかげでハタガネが固定しやすくかったです。 ボディの縁にはセル・バインディングが巻かれてます。貼り合わせ面にボンドを入れるためには、これを一旦外さなくてはいけない。しかし全周を外すと、後で貼り直し、場合によっては塗装の修正など、やらなくてはならない事が一気に増えてしまうので、あまり良い方法ではないけれど、ボディ・エンド部で一個所切り割り部分的に剥がす、というやり方にしました。
そして↑が、リペアを済ませた状態。側板の変形の矯正は完璧ではなく、0.5mmほど側板が裏板の内側に入ってしまった(ハタガネの締め過ぎ)。視認しながらの作業がやりづらい個所だったのでしょうがないかなと思う。接合面自体は完全に密着しており、リペア完了後すぐに弦を張って現在までの約2ヶ月間(2015年1〜2月)、ほぼ毎日弾いてますけど、強度面での不具合は生じてません。 一旦切り開いたバインディングは、合わせ目を木片で埋め再接着しました。
裏板の剥がれはリペア出来ましたけど、弦を張ってみたところ、この楽器はかなりトップ落ちしてるようです。この症状は治せるのであろうか?音的にも演奏面にも現状とくに問題はないと思うけど、見た目的にはラウンド・トップの曲面が十分に出てる方が良いに決まってる。直せるものなら直したいです。 2015/03/03
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