このギターは要するにYAMAHA流テレキャス・フェイクなわけですけれども、なんとも珍妙なシェイプではございます。ボディはメイプル・トップ/アルダー・バックという組み合わせでかなり重い。テレキャス弾きが好んで使うギターでは、

絶対にない!

ので、これを何くわぬ顔で使い続けたDupree氏の事を僕は
「機種がなんだとか、そういうこだわりの無い人」
だとずっと思い込んでました(実は案外こだわってるらしいんですが)。


この「じゃがいも」のようなシェイプですが、これは実はFender Jaguar/Jazz Masterの菱形シェイプのデザインをテレキャスに応用したものなのだという事に、今回撮影しているうちに気が付きました。そういう気持ちで改めてこのギターを眺めると、全てが実に合理的に設計された何とも素晴らしい楽器のように思えてきます(錯覚か?)。

「テレキャスターを菱形化する」という、Fenderがやり残したいわば「エレキ開発史上のミッシングリング」をYAMAHAが引き受け、これを製品化し得たという事実はまさに世界的偉業といっても過言ではない……というような賞賛の言葉でこのギターを飾り立てたい気持ちもあるのだが、実はFenderはFenderでGibson ES-335をぐんにゃり変形させたStarcasterという名作を世に解き放ち、そして見事に「ハズした」という経緯がある以上、テレキャスの菱形化などはさほど大仰に取り上げるまでもない事なのかも知れません。


とまぁ、どーでもいいような事をごちゃごちゃ書いてますが、結局

それがどうした?

と問われれば返す言葉も無いという、そんなギターではございます……僕は気に入ってるんですが(SJ-500も持ってますし)。





ロック式ナットが取り付けられていたので、ヘッドには余分なネジ穴があります。


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