(お別れ録音)Teisco K-4L、Marshall MG30DFX、Teisco BS-101、2009年12月

2010/03/01
(改)2017/06/10


 K-4Lはテスコの代表的機種だから、私もこういうサイトをやってる手前、弾き易さだとか実用性とかは関係なく、ともかく所持しておかねばならぬアイテムであろう。

 とか考えてたんですけど、やはり弾きづらすぎるので手放しました。こういうのは人それぞれで、K-4Lがとくに弾きづらいとは思わない、むしろ弾きやすい、という人もいるのだから、ダメだと思ってる奴が所有し続けるよりも好きだと思える人の手に渡った方が楽器にとっても良いにちがいない。

 私だってK-4Lは好きなんですけどね(見た目が)。ただ壁掛け観賞用の物件を所有してる余裕が今の私にはありませんので。

 というわけでK-4Lの「お別れ録音」は、他機種よりも詳細な記録を残すべく張りきって録音作業に臨んだのだが、K-4Lはひきづらいひきづらいひきづらいという思いが凝り固まってるせいか、いつも以上に凹む仕上がりとなってしまったのは残念な事です。

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 今回UPするファイルは3つ。まずはいつものYAMAHAのアンプYTA-25で鳴らした音から。4パートのマルチです。

■収音マイクはAUDIX D-1(もしかしたらD-4)
■ベース・パートのPUポジションは1+2+4。3点セレクタはBASS。エフェクターはMAESTRO 273a PHASERで、設定はBALL=7/SPEED=3。
■チクタク・ベース風パートのPUポジションは4。3点セレクタはSOLO。エフェクターは無し。
■アルペジオ&コード弾きのPUポジションは4。3点セレクタはSOLO。エフェクターはBOSS DM-2
■ソロ(33小節目〜)のPUポジションは2。3点セレクタはSOLO。エフェクターは無し。このパートだけアンプはTeisco MODEL 71C。
■2009年12月頃録音

 この録音では、後半から出てくるソロ・パートの中で逆スイープを使ってます。っても私はフィンガー・ピッカーなのでスイープも指弾き。だからこれ「なんちゃってスイープ」ですけどともかく、指弾き逆スイープは親指の爪の背中側か人差し指を使う。それで肝心なのは「タッチは深く、指先をボディにグチャっと押しつける位のつもりで弾く」とやりやすい。これが指弾き逆スイープのコツ(じゃないかと思ってる)。
 しかしK-4Lでその弾き方をすると、右手の下に居並ぶ4つのPUに指先が当たり、ボコボコとノイズを発生させる。それを避けるにはタッチは浅めにするしかない。しかしこのK-PUというやつは、その浅いタッチ、言い換えれば「楽器の上っ面を恐る恐る撫でてるだけのヘボな有様」を、実にリアルに表現してくれるPUなんですねえ!さすが評価の高い製品だけのことはあるとも言えるし、
★迷惑このうえないギア
であるとも言える。まあ歪ませてしまえば気にならなくなるかも知れないですけど。

 K-4Lがピッキングニュアンスを良く拾うのは、PUだけではなくアルミ・ピックガードが生み出す疑似セミアコ的な特性も関係してるかも知れません。

*)よく言えばセミアコ的だが、空き缶っぽい音とも言える。

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作例その2;
これもYAMAHA YTA-25で鳴らした4パート・マルチですが、全パートにエフェクターを掛けてます。

■収音マイクは同上。
■初っ端のアルペジオの、PUポジションは1+4。3点セレクタはRYTHM。エフェクターはBOSS CE-2で、設定はRATE=9時/SPEED=3時。
■ベース風パートのPUポジションは1+2+4。3点セレクタはBASS。エフェクターはMAESTRO 273a PHASERで、設定はBALL=7/SPEED=3。
■タッチ・ワウ8分刻みのPUポジションは4。3点セレクタはSOLO。エフェクターはBig Jam SE-2 Spit wahで、設定はUP/LP/SENS=80%/RESO=35%。
■21小節目からのリード・パートのPUポジションは4。3点セレクタはSOLO。エフェクターはPOS DT-1 DISTORTIONで、設定はTONE=2時/DIST=2時。DAW上でディレイを足してます。
■リズム・パートはKORGのエレクトライブ。
■2009年12月頃録音

 作例その1の録音を終えた所でガックシきて、気持ちは冴えないし何を弾こうか思い付けないし、結局エフェクター遊びでお茶を濁してみましたという作例の出来上がり。

エレクトライブを入れたのは、最近これを買ったばかりだから使ってみたかったというだけの理由。

 でもここでMAESTROのフェイザーを使ってみたのは面白かったです。MAESTROはコッテリ掛かる方のフェイザーで、そういう意味ではエレハモとだいたい似たような音なのだけど、K-4L→エレハモでは、ここで聴かれるような「低域はブーミーに膨らむけどMod.はちゃんと掛かってる」という音は出せなかったのです。
「ちょっと聴いた感じではわりと似てる2つのエフェクターでも、K-4LのセレクタがBASSという設定、つまり普通のエレキのトーンを絞ったのと概ね同じ音で組み合わせると全く違った反応を示す。」
という事もあるわけですね。

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 作例その3は、Marshall MG30DFXのライン・アウトでK-4Lを鳴らした音。

 Marshall MG30DFXは、デジタル・エフェクツを内蔵した小型サイズのアンプ。私はMarshallに関しては全くの門外漢なので、これの音が「本格的なマーシャル・サウンド」かどうかも全くわかりません。真空管は入ってないような気がする。歪みはデジタルで作ってるのかな?まあぜんぜん興味がないんで、調べてもいないんですけど。

 ただこの機種はライン・アウトを持ってるので、K-4Lをガーガー歪ませた音を録るには都合が良かろうと思い使ってみました。ギターの演奏がヘボすぎたので、それを誤魔化すため「元気の良さだけが取り柄の中学生が叩いてるようなドラム」を重ねときました。

■Marshall MG30DFXのライン・アウトをDAW用I/Oにプラグ・イン。
■全パートとも、アンプのチャンネルはOverdrive、エフェクトは無し。K-4Lの3点セレクタはSOLO。
■冒頭のリフの、PUポジションは4。アンプのGAIN=1.5/BASS=6/MID=7/TREBLE=4。
■次に出てくるパートのPUポジションは2+3。アンプのGAIN=3/BASS=7.5/MID=6/TREBLE=6。
■スライドはL/Rチャンネルに振り分けた2パートありますが設定はどちらも同じで、PUポジションは1。アンプのGAIN=7/BASS=6/MID=6/TREBLE=8。

■ベースはTeisco BS-101。
■ベースを鳴らしてるのはLine6 POD Farm。USB I/O(GX)のヘッドフォン・ジャックからの出力をDAW用I/O(MindPrint AN/DI PRO)にプラグ・インするという杜撰接続。
■POD Farmの設定は、アンプ=ベースマンで、キャビネット設定等はデフォ(だったと思う)。
■2009年12月+2010年03月頃録音

 ドラムが「いかにも打ち込み」なのはもうちょっとどうにかならんかとも思いますが、べつにいいですこんなもん。上モノの演奏がヘロヘロでも、ビートの縦線を太マジックでギュッギュと書き入れてやればなんとか誤魔化せる(ような気がする)という作例。

 せっかくマーシャルを使うんだから激歪みにさせたかったけど、GAIN をMAXまで上げるとブシューっと潰れるだけで、な感じにはならなかったです。アンプ側かギター側か、どちらの特性によるものかは分かりません。

 ベースの音はLine6のシミュレーション・ソフトを利用してます。POD Farmは去年(2009年)の夏に購入して、時たま鳴らして遊んでたんですが、そろそろちゃんとした使い方を考えねば。今回は実に杜撰な接続法ですが、数ヶ月の内にはもう少しまともになるはず。

 このK-4Lの録音を行ったのは去年の暮れでした。しかしベース・パートを加えたのは今年の3月。数ヶ月間の間が空いてるのは、あまりの出来の悪さに気力を失っていたから。当コーナーの音ファイルは「録りからミックスまでを数時間で終える」のが基本で、これは極力守らねばならぬと改めて思います。一旦間を置いてしまうと、
萎える→グズグズいじりだす
というペースになり、無駄に時間を労する事となりますので。


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