(お別れ録音)Firstman S2-A、Teisco BS-101、2010年03月

2010/03/03
(改)2017/07/01


 

リットーのビザール本によると、Firstman S2-Aが発売されたのは1967年2月。ファーストマンの最初の製品だそうです。しかし私が入手したこの個体のPUはLIVERPOOL SPECIALに用いられてるのと同じなので、製造時期は比較的後期かも知れません。

 ボディは当コーナーに概出のNormaと同じものです(f孔の位置が違うだけ)。ネックも多分同じですが、ネックまわりの状態はNormaよりも今回のFirstmanの方がずっと良好だった。というわけで、クラシック曲をエレキで弾くののリベンジだ↓

■PUポジションはF。
■ギター・アンプはYAMAHA YTA-25。
■マイクはSENNHEISER MD 441U。
・ブリリアンスSWはOFF/ロー・カットはOFF(M)。
・アンプとの距離は約50cm。スピーカーの中心をやや斜め上から狙う。
■electro-harmonix HOLYGRAIL reverbを掛けてます。
・設定は、リバーブ・タイプ=hall、ツマミはセンター。
■2010年3月頃録音

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 エレハモのHOLYGRAIL reverbをどばぁっと掛けてます。これも「お別れ録音」の一つ。知り合いの持ち物の代理出品。生産中止になって以来、中古価格が高騰してる人気商品だそうで。

 リバーブを深く掛けると演奏技術の未熟さがマスクされ、アラが目立たないからステキだ。風呂場で歌うと気分が良いのと同じ事。なので、ネック周りが比較的状態良好なFirsrtmanと、しゃぶしゃぶリバーブの組合せなら、なんちゃってクラシックの録音はすーいすいだぜえ☆と思ったんですが、録音作業中というものは多かれ少なかれ耳がダンボになるもので、そういう耳で聞く演奏のアラというものは、やはりアラでしかないのであり、リバーブがたっぷり掛かってるアラというのは「リバーブまみれになったアラ」にすぎないのであり、だから結局いつも通りの細かい切り貼り作業で体裁を繕う必要があったですよ。
 しかしリバーブたっぷりのトラックを切り貼りするのは面倒なものです。ドライなトラックに比べ、編集の自由度が制限されてしまう。それでグズグズ作業してたら↑の録音を仕上げるのにえらい時間がかかってしまった。だったらドライで録って後からリバーブを足すっていう、普通の作業手順にすりゃよかった。やってる事がチグハグでござんすね。

 エレキのPUのフロント・ポジションは大抵、ハーモニクスをきれいに拾ってくれません。ですので7Fのハーモニクスを多用するこの曲を弾く場合は、リアかミックスを用いるべきなんですけど、Firsrtmanのこの楽器はフロントでもそこそこハーモニクスが鳴るので、今回の録音ではフロント・ポジションを用いました。リアでは音がカリカリすぎ、という事もありましたし。

テーマに入ってからの最初のメロディ音(1弦5FのA)には装飾音を付けるべきなんですけど(1Fからのグリスアップ)、Firsrtmanのこのネックではそれが非常に難しかったので省略。まあ「60年代日本製エレキとしては弾きやすい方」だといっても、普通の意味での「弾きやすい」ではない、という事です。

この曲は中間部の、長調に転調にしてからの方が難しい。私は弾けません。ですので今回もフェードアウト。この部分は弦テンションが緩くネック幅の狭いエレキより、普通のクラシック・ギターの方が弾きやすいですみたいな言い訳も付け加えておきましょうか。

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お次は、ベースも加えた3パート・マルチで"Willow Weep for Me"。

■ギター・アンプはYAMAHA YTA-25。
■マイクはSENNHEISER MD 441U。
・ブリリアンスSWはON/ロー・カットはセンター(2段カット)。
・アンプとの距離は約10cm。スピーカーのほぼ真正面を狙う。
■バッキングのPUポジションはR。リードはF。
■バッキングにのみエレハモのリバーブ。リバーブ・タイプはspringでツマミは1時。

■ベースを鳴らしてるのはLine6 POD Farm。
・USB I/O(GX)のヘッドフォン・ジャックからの出力をDAW用I/O(MindPrint AN/DI PRO)にプラグ・インするという杜撰接続。
■POD Farmの設定は、アンプ=ベースマン/キャビネット設定のRoom=60%(遠め)/マイク=Tube47。

■2010年3月頃録音

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 ベースのTeisco BS-101は、私は今までに3本くらい所有しましたが次々と手放し、手元に残った最後の1本も今回ついに放出。製造時期によってバージョン違いが何種類かあるBS-101のうち、この個体は最初期の仕様のものです。

 常識的な事を言うと、このベースに実用性はありません。だけど音は良い。個人的な好き嫌いで言ったら好きな楽器だし、宅録用としてだけでも実用化させたい気持ちはあった。でもそれは断念しました。実用化が困難という事ではなく、ブリッジ交換・フレット交換・スポンジ・ミュート装着などの改造を施せば、わりと普通に使える状態にはなると思います。しかしそういう手間を掛けるより先に、他にもケアしないといけない楽器が家にはまだまだ沢山あるし、そんな改造なんて必要ないと思ってる人もいるかも知れないし、あるいはオリジナルの状態のままで壁掛けとして楽しみたい人もいるかも知れないし等々等々。

 この楽器を現状のままで使う場合、まず問題になるのが音程の悪さですが、今回の録音では楽器全体をやや低めにチューニングし、押弦時は常にベンドあるいはビブラートを掛けるというやり方で、この問題の解消を試みてます。

解消を「試みた」だけで、実際はぜんぜん解消されてないかも知れませんけど

 しかしギターの方も、言っちゃなんですけどアレな代物ですから、ベースのアレとギターのアレがブレンドされ、絶妙なナニかがナニしてると言えるのではなかろうか?というか古いジャズの録音の音程なんて概ねこんなもんだと思うみたいな開き直りで今回は了。

 エレハモ・HOLYGRAILをこっちでも用いてます。サイド・ギターのコード弾きにspring。このエフェクターの一番の売りはspringだと思うけど、こんな控えめというか半端な使い方の音しか残せなかったのはちょっと残念。大定番のテケテケとかをすべきだったかもだけど、そういうのは既に多くの人がやってると思うし。


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