(お別れ録音)Teisco EP-200L、2010年04月

2010/04/04
(改)2017/07/10


 支柱ありシンライン・フルアコ、つまり見た目はセミアコだけどセンターブロックは無い、エピフォン・カジノとかギブソンES-330みたいなタイプのエレキ、だけどブリッジの下に表板の変形を防ぐための「支柱」が埋め込まれてる、という製品。テスコはこれを多数ラインナップしてました。

参考用の画像は→Teisco EPのボディ

 型番がEPのは大抵それだし、VegasやPhantomシリーズもそう。その他いろいろ。これらの製造工場はテスコ絃楽器で、このラインを引き継いだファーストマンにも、支柱ありシンライン・フルアコは多い。その他フジゲンや遠州工芸など、多数の工場でこのタイプのエレキは製造されてました。
 そのため支柱ありシンライン・フルアコは、60年代日本製エレキの世界ではスタンダードな存在となりましたけど、それだけに、その「へなちょこっぷり」はテスコ類のダメさ加減を象徴するものともなりました。だってこれ、薄ぺらいベニアを貼り合わせてなんかテキトーにエレキっぽい形にしただけのヘナヘナな物体にすぎませんから。

 なんですけど最近、このヘナヘナ箱エレキでしか作れない独特のグルーヴ感があるかも知れないような気がしてきたんですね。「ヘナヘナな音でグルーヴしまくる偉人」といえば、それはつまりコーネル・デュプリー師の事ですけれど、

コーネル師はテレ弾きなのであり、箱エレキは用いません。しかし師の、あのヘナヘナしたプレイっぷりとトーン・ニュアンスに似た音を出せるのは案外、60年代日本製の支柱ありシンライン・フルアコなのではなかろうかと、そんな風に思えてきた今日この頃なわけです。そんなの勘違いでしょうか?コーネル師の名誉のためには、勘違いであって欲しいという気もします。だってテレ弾いてるのに日本製ゴミエレキみたいな音がしてるのってカッコわるー

*)キング・ピンズ加入当初のコーネル・デュプリーは自分の音が気に入らず、楽器を色々持ち替えたりテレの改造を行ったりと、試行錯誤の数年間を過ごされたようです。

 しかしグルーヴとは「ユルいところ」がないと生じない性質のものです、みたいな言い方は独断に過ぎるというなら、
「ユルいところがあってこそ発生・作動する、そういうスタイルのグルーヴもある」
と言い換えてもいいですけど、ともかくユルいところというか「空気の通り道」というか、あるいは「危なっかしいところ」みたいなものがあった方が活性化する、そういうスタイルの音楽もあり、60年代日本製の支柱ありシンライン・フルアコは案外、そっち系のグルーヴを作るのに適してるのではなかろうか……そんなことはないかなやっぱり。ともかく、支柱ありシンライン・フルアコの中でも、ビヨーンと間延びしたボディ・シェイプでユルさを極めたEP-200Lの音はこんな感じ↓

■ギター・アンプはYAMAHA YTA-25。
■マイクはAUDIX D-1。
■バッキングのPUポジションはF。リードはR。
■後半のリードに掛けてるタッチ・ワウはBOSS AW-2。RATE=2時/DEPTH=3時半/MANUAL=9時半/SENS=8時半
■2010年04月録音

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 1コーラス12小節を5回。6回目のアタマでF.O.という構成ですが、冗長というか「無駄に長かった」という反省がございます。編集し直して1コーラス間引いた方が良いのだけど、うまく抜き取れる編集ポイントが見付けられないのでこのままUP。バッキングの方はわりと気に入ってるので、そのうちリサイクル使用するかも。

 ボスのAW-2ってなかなか良いものだと思います。機能的にどうとかいう事より、「音色が明るい」のが長所。明るいというより「陽気」。ワウは、
1. 陽気なもの
2. 妖気漂うもの
この2タイプを持ってれば鉄壁。


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