Guyatone EB-7
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グヤトーンのエレキ・ベース、EB-7です。発売されたのは、おそらく1966年。

リットーのビザール本79ページに載ってるグヤ社66年のカタログを見ると、EB-7に★印が付いてます。この★印は新発売である事を意味してると思われるので、EB-7の発売年は66年であろうと推測。

この楽器には、
 ・ヘッドがフェンダー風
 ・全体的にも何となくフェンダー・プレベ風
 ・ボディ・カラーの3TSが鮮やか(赤味が強い)
 ・しかも塗膜が硬いポリ塗装
という特徴があります。ですので私はこの楽器を、60年代末か70年代に入ってから製造されたものだと思ってました。持った感じが「70年代もの」ぽかったんですね。

もっとも、EB-7というモデルの発売開始は66年ですけど、この画像の個体の製造されたのはもっと後だという可能性も一応はあります。ただ、グヤ社は69年に一度倒産して旧製品ラインナップは整理されてますから、70年以降にもこのモデルの製造が続けられていたとは考えにくい。


ボディは重たい方です。そして、エルボー・カットおよびバック・コンターの斜面は黒く塗り潰されてる。ですのでこのボディ材は、ランバコアである可能性が高いです。
1965年に発売されたLG-200T(国産最高エレキ)のボディ材はランバコアだという話しがあります。

私はLG-200Tの現物を手にした事がなく、これは伝聞による情報です。間違ってるかも知れません。

LG-200Tのボディを製造したのはヤマハ。ですので、EB-7のボディもヤマハが製造したものかも知れませんね。あるいは、マツモクもこの時期、既にランバコアを使用してましたから、マツモク製の可能性もあります。

ネック材もよく分からないものですが(メイプルではありません)、ブナ科の木材に現れる事の多い樫目に似た斑点(というか筋模様)がありますので、これはブナ科の何かかも知れません。

ブナ科の木材とはブナ/樫/楢など。どれも硬い木材ですから丈夫。そのかわり狂いが出やすい・割れやすい等の性質があるので、ネック材としては不適なものです。

ナットはブラス製ですが、これはオリジナルではありません。


ピック・ガードは白色の(たぶん)アクリル、1P。LG-120Tのと同じ材質です。

コントロールは、一番手前がPUセレクター(ロータリー・スイッチ)。そして1V/1T。
このノブも、オリジナルではない可能性があります。

フィンガー・レストは小型。ブリッジはスポンジ・ミュート付き。


ボディ側面にはかなり丸っこいRが付けられていて、座奏の場合は弾きにくかったです。

ネックの握りは太からず細からず/どちらかというと太い方で、太さというよりRの形状のせいか、それほど弾き良いネックではありませんでした。
フレットも「針金フレット」の類ではないですけど、やはりエレベ用としてはちょっと頼りない。フレット端の処理もイマイチ。

でもこのベース、音は良かったです。全体的にはフェンダー・プレベのフェイクだがPUはハムバッカーが2発。そしてミュート付きブリッジ=初期のミュージック・マンと同じ仕様と言えなくもない



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2007/11/17
(改)2010/08/24


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