Guyatone LG-120T
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グヤトーンのLG-120Tです。回転式フロント・ピックアップというキャッチーな仕掛け付き。

リットーのビザール本によると、発売されたのは1966年5月頃との事。

「珍しもの」としてはなかなか良いネタですから、いわゆるビザール趣味の方面ではそれなりに人気もありそうですが、音的にはとくに意味無しな仕掛けです。

ずっと後の時代の超高級エレキ「ターナー・ギター」でも同じアイディアが採用され、やはりどうも、ぱっとしないまま消えていったようです(ターナーの場合は高額過ぎなのも問題だったかも知れませんが)。

この仕掛け、どうせやるならフロントではなくリアだろう、という気もいたします。


ボディはLG-130T等と同じ、フェンダー・ジャガーの縮小コピー・タイプ。

ボディ・カラーの「ちょっと紫がかったパール・ピンク」が使われてるのは、このLG-120Tと、あともう1〜2機種しかないはず。わりと限定スペシャルなカラー。

この画像のトレモロ・アームはオリジナルではなく、ジャパン・フェンダーのジャガー/ジャズマスター用のものです。グヤのこのタイプのユニットは、現行フェンダーで代用可能なのがありがたい。

ペグはGOTOHのマグナム・ロックに交換してあります。グヤトーンのヘッドの厚さは(テスコと違って)「世界標準」な範囲の寸法に収まっているので、ゴトーのMGも問題なく取り付ける事が出来るのがありがたい。

ロック式ペグに交換した以上はテンション・バーは無用のものですが(というかペグが何式であろうとテンション・バーなんて無用のものと思うのですが)、画像資料としてはオリジナルに近い方が良いので、テンション・バーありで撮影いたしました。実用的には取り外してしまった方が良いと思います。


ポジション・マークのデザインも、たぶんこの機種限定。
テルスター等と似ていますが、あちらはドットも組み合わされているので、完全に同じものではありません。

それにしても象嵌の仕上がりは上々です。60年代の日本製エレキは、どういう訳かポジション・マークに凝っている例が時々あり(Teisco Spectrum 5とかNorma等々)、70年代の中頃にはヤマハの「神がかりキラキラ」な世界が出現したりします(ヤマハ製フォーク・ギターの花柄や、サンタナSGの仏様)。
「伝統工芸方面の技術・人材を活用出来た」というような事情があったのかも知れません。


スイッチの部分の画像を撮影するのを忘れてしまいましたが、このモデルのコントロールは、

・Master Volume
・Master Tone
・COOL/HOT切替スイッチ
・SOLO/RHYTHM切替スイッチ

の4つです。切替スイッチがつあるので2×2=都合4通りの組合せを作れます。これは単純なPUセレクターではなく多少複雑な働きをするものなので、マトリクスで説明いたしますと、

 COOLHOT
SOLOF+RF
RHYTHMF+R 註1C+R 註2

3つあるPUの組合せは上記の通り。ただし"RHYTHM"ポジションの時は註1/註2で示した通り、プリセット・トーン的な仕組みになっています。

あとついでに、フロントPUの位置その1/その2というのを。



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2007/04/06
(改)2008/05/12
(改)2008/08/30


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