Guyatone LG-150T
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グヤトーンのモズライト・コピー(フェイク)、LG-150Tです。

リットーのビザール本によると、発売されたのは1967年夏頃との事。


日本製モズ・コピーも色々ありますが、中でもこのLG-150Tは最もオリジナル度が高い……んじゃないですけど(コピーなんだから)、

「モズであってモズでない」度

が、かなり高いと思います。
思いっ切りデフォルメ(ぐにゃぐにゃ)してあるんだけど全体的なバランスが良いのは、

↑こういう左右対称の8の字をスラントさせた形態がフォルムの骨格になっているからだと思います。

8の字の2つの「輪っか」を大小にする(ネック側を小さくする)のはギター・デザインのセオリーというか常識みたいなものですから、グヤもこのLG-150Tより以前の製品では、その常識に従っていたんですが(これとかこれとか)、2つの輪っかを
同じ大きさにするのもカッコいい
という発見があったのか、実はシャープ・ファイブも「スラントさせた、同じ大きさの輪っか2つの組合せ」に基づいたデザインなのです。


3+3のヘッドとしては、おそらく国内最小。もしかしたら世界最小かもしれないくらい、かなり思いきったデザインのヘッドです。(片側6連の)フェンダー・テレキャスと同じくらいの大きさ(面積)しかないのではないでしょうか。しかも地面の方向に少し傾いてるんですよね。

6弦と3弦が隣のペグのポストに接触してるとか、強度的にちょっと不安な面もあるとか、あとやはり不慣れだと使いづらい等々の問題はあるんですが、見た目の格好良さで言えばこれ最高。よくこんなデザインを作り出せたものだと思います。


相変わらずテンションバーが使われてるのがイマイチですが、ネックの握り・フレットの形状と仕上げ・ペグの精度などなどは、(これ以前の製品に比べて)かなり良くなっていると思います。


それで、「モズライトといえばジャーマン・カーヴ」なわけですが、日本製エレキのジャーマン・カーヴは本家のそれとはかなり別物な、几帳面に「かっちり」彫り込まれてる場合が多いです。

ボディのアウトラインは「ぐにゃぐにゃ」なんですが、ジャーマン・カーヴはかっちりしてるので、ボディの「へり」に鋭いエッヂと陰影が作られ、全体の印象を引き締める、という効果もあるのかも。

コントロールはPU切換のトグルスイッチと1V/1Tというシンプルなもの。
以前のスイッチは多ければ多いほど偉いと言わんばかりであった頃の製品とは、この点でも大きく違ってきているようです。

PUは一見したところ「ややファットなストラト」みたいに思えますが、実はこれの中身はジャガー・タイプ
トレモロ・ユニットもモズ式ではなくジャガー/ジャズマス式。ローラー・ブリッジは(大まかにですが)一応オクターブ調整も出来るようになってます。


LG-150Tの色違いバージョンです。ヘッドの形も違います。


ボディがスラントしているのに合わせたかのようなヘッドのデザイン。「風になびくリーゼント」に見えなくもないですか。


ネック・ジョイント部分の形状は、ごく普通のフェンダー式。このLG-150Tよりも古いLG-50Tの方が多少本家に似せてありました



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2007/09/08
(改)2008/06/09
(改)2008/08/30


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