Hagstrom12st. | ||
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スウェーデンのメーカーハグストロムの12弦エレキです。型番や製造年は不明。 これはモモカワ君の所有物で、現在使用中のものです。mosrite Joe Maphisと共に、当コーナーに資料提供して頂きました。 | ||
このギター、製造されたのは1966年頃とのこと(販売店の説明)。 オリジナルのナットは「精度の低いビヤビヤいう感じのもの」だったそうで(モモカワ談)、新しく作り直してあります。 実はこの楽器、現在はフロントPUを外してリアのみ1PUのギターとして使用してるのです(外したフロントPUはモズライトのリアに移植)。 ネックの裏側に細くて白いテープが貼ってあるのはモモカワ君の演奏上の都合。 ハグストロムというと、いわゆるビザールギター、つまり ただし楽器としての作り・仕上がり具合の方は、どうもやっぱりビザール臭漂うアレなものだったようで、ナットの具合が良くなかった他に、 ■ブリッジの溝切りもあまり良くない 等々の問題点があるようです。 PUの出力は高からず低からず(モズライトよりは低くストラトよりは高いと思う)、実に素直で癖のない感じの音色。僕はモモカワ君がこのギターを使ってるのを初めて聴いたとき、これはセミアコかと思ってしまいましたが、そうではなく このギターのザグリはけっこうタイトなもので、つまり大雑把・弁当箱タイプの(大きすぎる)ザグリで擬似セミアコ効果が発生しているのではなく、 12弦ならではのナチュラルなコーラス効果がよく効いてるんだと思います。 また「12弦エレキのチョーキングは強烈で良い」との事(モモカワ談)。 | ||
その「軸受け部分の溶接が外れてしまってる」ペグはオープン・バック。ストリング・ポストは灯台型。 テンション・バー(というかストリング・ガイドというか)が使われていますが、これは板材を折り曲げた物ではなく、角棒材に溝切りが12本分してあるという高級仕様のものなんですが、これがあるおかげで弦交換はかなりやり辛いらしいです。ただヘッドには(見た目はギブソン系ですが)角度が付いてないので、このテンション・バーは必須。 | ||
テンション・バーに角棒材を使うなど、なにげに金属パーツが重厚なハグストロムですが、ブリッジやテールピースもなかなかしっかりした作りのものです(ただし前述したようにサドルの溝切りはイマイチ。弦との接触面が無駄に長いらしい)。 ブリッジは、オクターブ調整が少々やりにくいし調整幅も狭い(たぶん)という欠点はあるものの、部品構成がシンプルで、サドルをネジで締め付けてるからヘナヘナしちゃう要素がない(とでも言うような)設計。 ウィルキンソンあたりの趣味なパーツ屋さんで、このブリッジの復刻版(でも発展形でも)を作ってくれたりしたら嬉しいんですが。 | ||
コントロールはマスター・ボリュームと各PUのON/OFFスイッチ。プリセットのTONEスイッチとMUTEスイッチ。 ホーン付け根のミニ・スイッチがスタンバイ・スイッチ(音が鳴らなくなる)で、MUTEスイッチは音量が少し下がるだけ「だった気がする」(モモカワ談)という事で、スイッチ類を全てキャンセルしてしまってる現状では、正確な事は確かめようがなく。 モモカワ君はスイッチとかがゴチャゴチャしてるギターは好きではないんですな。 ネック・ジョイントはボルト3点なんですが、フェンダーとは三角形の向きが逆になってます。 2007/09/22 |