Kawaiのmosriteもどき
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この画像の個体はヘッドのブランド・ロゴが欠品してますが、リットーのビザール本の35ページに載っている、KawaiのSEN-140というモデルと概ね同じものなので、60年代末のカワイ製品であると考えて間違いないと思います。PUはTeiscoのものと殆ど同じ(ですが細かいところは微妙に違うのでこのページの下の方の画像を参照してください)。

ちなみにKawai SEN-140の発売は1968年との事。


60年代も後半になると、日本のエレキ・メーカーはmosriteのコピー(あるいはフェイク、あるいはもどき)を無数に作り始め、この製品もその中の一つなわけですが、

■ヘッドが片側6連
■PUは3つ
■ボディの「お尻」の逆スラント角度が(本家に比べ)不足気味
■ホーンがの字に開いてる

等の点では、モズ度は低め。その一方で、

■指板エンドの斜めカット
■弦間がやや狭めでネックの幅も狭い

という点はとてもモズっぽい。とくに指板エンドの斜めカットは同じカワイの60年代末期製品であるTeisco V-2には採用されていなかった特徴です。

「モズもどき」にも色んなバージョンというか濃淡の差があるんだという。


このヘッドは、Ekoのものにもちょっと似てます。黒い付き板を貼ってバインディングを巻いたりするのもEkoっぽい感じです。

カワイのネックといえば積層材を用いたものが有名ですが、この機種のネックは普通の木材です。
材質はどーせラワンなんですが、木理にムラのない、見た感じはなかなか良さげなものが使われてましたなんて事も、一応は書いておきましょうかね。どーせラワンなんですが。


ジャーマン・カーヴの作り方も、この頃になると手馴れてきて、均一に、悪くいえば何かやっつけ仕事的に、ルーターでたあーっと削り落としただけみたいになって来るんですが、これよりほんの数年前の日本製エレキのジャーマン・カーヴとは、
★もっと複雑な形状を持ち、
日本の職人技ならではの几帳面さ
が感じられるものであった(と私は思います)。

ネックの握りとか太さは現代の(普通の)エレキにかなり近くなってますし、フレットもわりとまとも(高さは低いが幅は広い)なので、60年代中期のテスコ製エレキよりかは、はるかに弾きやすい製品です。

といってもフレット端の処理は雑で、あくまでも60年代中期のテスコに比べればなんぼかマシといった程度。

バインディングが巻かれた指板とボテっと大きい角型ポジション・マークは、60年代末カワイ製ネックの特徴。


ブリッジ周辺の拡大。

このPU、テスコの製品に用いられていた時は、マウントするための台座を介して取り付け、高さ調節が可能だったんですが、この製品ではピックガードに直接ボルト止めで、高さ調節は不可になってます。



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2007/10/06
(改)2008/06/14
(改)2009/07/28


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