Teisco BA-2
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テスコのBA-2です。リットーのビザール本によると、発売されたのは1968年。

こちらギターのEPシリーズのベース版みたいなモデルですが、ボディはギターと共用ではありません。ベースはベース専用のボディ。しかし、セミアコ・ベースとしては小型の方ではありますね。

日本のエレキ・メーカーがセミアコ・ベースを作り始めたのは、たぶん1966年だと思うのです。

・Guyatone SB-1/1966年発売
・Teisco EP-200B/たぶん1966年発売、もしかしたら67年
この2つが嚆矢で、67年になるとヤマハ・アリア・ファーストマン・ハニー等々からも発売され百花繚乱。

なんで66年からかと言うと、そりゃ当然ビートルズの影響でしょう。セミアコ・ベースは60年代B級エレキの世界を代表するアイテムで、現在の中古市場にもそれらの残骸がごろごろ転がってますけど、65年までの日本には一切なかった、66年になってもほとんど無かったというのは、驚くべき事です。


テールピースに竪琴型のパーツが用いられていますが、これは以前のオーナーさんが初期型EPシリーズのテールピースを利用して改造(修理)したものです。

このテールピース本来の姿についてはパーツの写真帳の方の記事を参考にしてください。
フルアコのパーツを使ってオリジナルに近い姿を復元することも可能だとは思うのですが、強度的にイマイチ不安だし面倒くさいし、なによりもルックス的に、これはこれでけっこう良いように思え、復元せずに撮影→そのまま売却してしまいました。

ピックガードが付いてませんが、欠品ではなく、もともとピックガード無しの製品だと思われます(ボディ表面にネジ穴跡などが見あたらないので)。


ヘッドの形は海老尾。高音側の「尻尾」が欠けてます。

積層材ネックは反りには強いと思います。ただ、接着面方向には割れやすいので、とくにツキ板の貼ってない海老尾ヘッドは先端が欠けてしまってるものが多いですね。

このブランド・バッヂが使われ始めたのは1968年発売のMay Queenからだと思います。
素っ気ないデザインで、とくに愛称も思い付けない・愛着も湧かないというようなものですが、60年代末から70年代にかけては、こういうのがカッコ良く感じられてたのかも。

あるいは、カワイにとってのテスコ=セカンド・ライン的な位置付けのブランドだから、意図的に多少格下な感じのデザインにしたのかも。


ほぼ正方形のジョイント・プレートはかなり小型(ギター用と同じサイズ)。エンドピンはアルミ製

ローズ・ウッドを削り出して作った大型のフィンガー・レストはボディにしっかり固定され、ネジ頭は象嵌で隠されてます(片方は外れちゃってますが)。ユーザがー自分好みの位置に移動するのは許されない仕様。

PUは見た目こそポールピースが4つで、いかにもベース専用風なんですが、中身はこれとかと同じような気が。

ネック・ジョイント部のポケットの形状はギターのEP-2Tと同じく、高音弦側には出っぱりが無いタイプ。


トレモロ付きでもないのにブリッジはローラー式

どういうわけか、このテのB級メーカー製のベースにはローラー・ブリッジの使われてる事が多いんですけど、一体どういう意図があったのか?

EkoとVOXにはローラー・ブリッジを用いたベースがありますね。グレッチにもあったかも。だからそれに倣ったんでしょうかねえ。



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2007/11/24
(改)2010/08/23


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