Teisco K-4L
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テスコを代表する機種を1本選ぶとしたら……まぁそんなのは「人それぞれ」にきまってますが、

TRG-1
WGシリーズ
TG-64
Spectrum 5

そしてこのKシリーズあたりが候補でしょうか。ここで例えば、
「販売期間の長さ・現存している本数・知名度・高級度」
というような「テスコの代表にふさわしい度」を測る評価項目を設定してみると、Kシリーズはどれも第一位ではない代わり、「平均点の高さ」はダントツ。全項目で三位以上にランクされると思います。

「知名度」に関しては、デビット・リンドレーのメイン機であることの影響力が大きいのでしょうけれど、その他の著名人でKを使っている例は、とくに思い浮かびません。なんですが、喜納昌吉&チャンプルーズのデビュー・アルバムで使われているエレキはKのような気がいたします。

以前ちらっと見かけたチャンプルーズのステージ写真で、喜納昌吉がKみたいなシェイプのエレキを抱えていた(ような気がする)という曖昧な記憶もあり、72年に返還されるまではアメリカ領であった沖縄にはKimberlyブランドのテスコが多数「輸出」されていたのであり、それよりも何よりもアルバム『喜納昌吉&チャンプルーズ』のエレキの音はテスコっぽい。エレキの音が一番明瞭に聴き取れるのは4曲目「番長小」のイントロなので、このアルバムを持っている人はチェックしてみてください。

あと東京ロッカーズのS-Kenさんも、もしかしたらKを使っていたかも(そんなようなステージ写真を見た事がある、ような気がする。幻覚かも)。これはあまりにも曖昧な記憶で、しかも僕はS-Kenって一度も聴いた事が無くorz、いずれ(気力があれば)ちゃんと調べてみますって事で、一応注記。


Kシリーズは1966年に発売され、60年代の末(あるいは70年代の初頭)まで販売されました。テスコ製品としてはロング・セラーな方です。
販売期間が長いだけに製造時期による細かな個体差がありまして、見た目的に一番分かりやすいのはピックガードのストライプの有無。ストライプの「ない」方が後期型だと思います。
また塗装の、3TSの「赤が濃い」のも(たぶん)後期型の特徴。

以上の点から、この画像の個体は「後期型」だと思われますとも言い切れないのかも

またボディのジャーマン・カーヴの形状も個体毎に微妙な違いというか色々なパターンがあります。ただその違いを言葉で説明するのは難しく、いずれ初期型の方のKの画像もアップしますから、その時点で再度説明したいと思います。

もちろんKシリーズの「初期型・後期型の違い、見分け方」なんて個人的にはホントどーでもいい事なんですが、僕もこういうサイトをやってる行き掛かり上、あれこれ細かな違いに気付いてしまうのでして。

66年の製品から採用され始めるPU ON/OFFスイッチのカバー、この画像の物は欠品です……なんですが、もしかすると欠品ではなく、後期型のKではカバー省かれていたのかも知れません。「ストライプ無しピックガードでカバーも無し」という例を多く見かけるように思えます。

ペグは交換してあります(僕が入手した時点でオリジナルは欠品状態)。

0フレット付きなのは前期型・後期型の別なく、Kシリーズに共通の仕様だと思います。
テスコ的には、0フレットの「ある」ほうが新型かつ高級品という位置付けなんだと思います。


高音弦側カッタウェイの、ホーンの内側のジャーマン・カーヴ。これが「途中までしか彫られてない」のがこの個体の特徴。
低音側ホーンはネック・ジョイント部のポケットの根元までなだらかにカーヴされています。大抵のKは高音側も「根元までなだらか」なんですが、どうしてこれだけ途中で止まっているのか。

ストラップ・ピンはネックの付け根部分に取り付けられています(Spectrum 5も同様)。

ジョイント・プレートの下に、モデル名とシリアル・ナンバーを刻印したアルミ板が貼られています。


ボディ・シェイプのデザイン、ベースになっているのはやはりフェンダー・ジャガーなんじゃないかと思います。
「お尻」の辺りはわりとジャガーそのままで、ホーンだけ「きゅきゅっ」と尖らせてみました、というような輪郭。

Spectrum 5のホーンは「風に煽られてる」というか「炎が揺らめいてる」というようなデザインですが、お尻の方はやっぱりジャガーっぽい。

ボディ裏側の形状もSpectrum 5と似ています。
ボディ裏側のエッジのR、これSpectrum 5では、座奏の場合ちょっと弾きづらく感じる原因になる(膝の上で滑っちゃうから)のですが、Kの場合はそういう事はありません。Rというより「バックコンターが膝の側にもある」というような形状です。


別アングルからの画像。



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2007/05/04
(改)2008/04/18


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