Teisco WG-3L
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WGシリーズが最初に発売されたのは(たぶん)1963年。5〜6年間販売されていました(少なくとも68年までカタログに掲載されていた)。WGシリーズはテスコの製品中、最もロングセラーな方の機種です。

販売期間が長いだけあって製造時期による仕様の変更が多く、様々なバージョン違いが存在します。この画像のものは、
・ヘッドはピストル・ヘッド
・ピックガードはストライプあり
という特徴から、65年頃に製造されたものだと思われます。

ピストル・ヘッドは63年以来の初期型仕様。WGが42ヘッドになるのは66年以降。しましまピックガードが登場するのは65年。

テスコの42ヘッドの初登場は64年なのですが、それはTG-64等に採用された、先端の丸い「旧型」42ヘッドの事でして、WGやKSM-2LSpectrum 5等に採用された「先の尖った」42ヘッドが登場するのは66年。
まぁWGだけがKその他よりも一足先(65年以前)に「尖った42ヘッド」化していた可能性もない訳ではないですけど。


1963年から68年(あるいは69年)まで販売されたWGの内、大体63〜65年の3年間がピストル・ヘッド。66年以降の2〜3年が42ヘッド。ですから販売期間はピストル型も42型も同じくらいなのですが、現存するWGの多くは42ヘッドのように思えます。

また、WGシリーズ以外でピストル・ヘッドが採用されたのはWカッタウェイ型の方のTRG-1のみ(たぶん)。ピストル・ヘッドのテスコって、意外と稀少品かも知れないですね。


という訳で、そのピストル・ヘッドの画像をちょっと多めに用意しました。

ストリング・ポストの間隔はタツノオトシゴ・ヘッドと同じなのですが、ヘッドの先端が切り落とされているので龍落子ヘッドよりは小型です。それでもフェンダーのヘッドに比べればかなり大型。


パーツの違いによるバージョン違いが多数あるWGシリーズですが、ボディのシェイプにも微妙なバージョン違いというか個体差があります。

この画像のものは、低音弦側ホーンの先端部分が「うにゅ」っと丸っこく、高音側ホーンは全体が太くて短い(ように見える)というタイプ。

お尻の方のアウト・ラインが少し「カクカク」してるように見えるのは画像処理(切り抜き)を失敗したから……というのを否定しきれない自分が情けないですが、これは実際に少々「いびつ」な形だったはず。


ジョイント・プレートに型番を表記したシールが貼られています。シリアル・ナンバーはありません。

小さなアルミ板に型番とシリアル・ナンバーを打刻するようになるのは()、66年以降だと思われます。


コントロールは各PUのON/OFFスイッチが3つと、3ボリューム/1トーン。ただ、右手に一番近い位置にあるノブがトーンなんです。

MJ-2Lでもトーン・ノブが一番手前ですし、TG-64(だったかTB-64だったか)の最初期型も、手前の方がトーン。

66年以降の新製品では、手元から遠い方がトーンになっていますし、最も後期型と思われるWGではノブの配置自体が変更されていて、たぶんトーンは一番遠い位置になっていると思う(僕はこの最後期バージョンのWGは入手した事がありませんので、これは想像)。
ピッキングする右手が直撃する位置に置かれたON/OFFスイッチも、最後期WGではずっと遠くの方に移動されています。

「テスコ=だめギター」である事は否定のしようもない事実ですが、実は細かな仕様変更を重ねながら「まとも」な楽器へと、一応は進化し続けていたテスコです。



各パーツ名をクリックして下さい。

2007/05/11




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