Guyatone LG-130T等の、60年代中期以降に発売されたグヤトーン製エレキに用いられてる事の多いトレモロ・ユニットです。

トレモロ・ユニットとしての機構・構造はBigsbyと共通した点が多く、ビグスビーを参考にして設計された製品だと思います。ですので、
「グヤトーンのビグスビー、略してグヤ・スビー、Guyasby」
というような愛称を与え、当サイト内での通称といたします。60年代の前半に使われていたユニットもビグスビー式なので、
60年代前半のものを Guyasby 1号
60年代中期のものを Guyasby 2号
と呼び分けます。


Bigsbyとの共通点は;
・可動支点が回転軸式(ただしボールベアリングは無し)
・弦をパイプに巻き付けて固定
・押しバネ1本を使用
・アームは板材、取り外しにくい

Bigsbyとの相違点は;
・カバーあり
・ギターに取り付ける際は要ザグリ

ただし、このザグリはバネの足元だけ、直径2cm/深さ12mmほど掘り下げてあるだけのもので、なくてもOKなような気もします(*。

*)現在はBigsby用のバネも、長さやテンションのバリエーションの選択肢が多いですから、このユニットを他のエレキに流用する場合はザグリ無しでもOKなんじゃないかなという意味。

となると、Bigsbyとの大きな違いはカバーの有無だけになります。かなりBigsbyそっくりなユニットですね。

ただし、可動部支点にボールベアリングは用いられてません。

この先の尖ったネジは、締めつけすぎると回転軸がスムーズに動かなくなります。


また、弦の固定はBigsbyのように短い突起にボールエンドを引っ掛けるのではなく、パイプの穴に通す式。

軸受けがボールベアリングである事と、ボールエンドを突起に引っ掛けて固定するのは、Bigsbyというトレモロ・ユニットにとって重要度の高いポイントなので、この2点がアレなGuyasby(また、これ以外にも多数作られたBigsby類似の製品の多く)は、トレモロ・ユニットとしては些か残念なものではございます。ベースプレートは板材を折り曲げただけのもので剛性が低い→歪みが生じやすい→可動がスムーズでなくなりやすい、というのも残念な点。


アームは鋳造で作られたものと思われます。

当サイト掲示板にてH.N.茄子紅茶さんから寄せられた情報によると、このアームには鋳造の際に出来るバリが残ってる個体があるとの事。

モズライトのアームは鋳造製ですから(*)、グヤ社としてはこの点はモズに倣ったのかも知れません。

*)時期によっては板材切り出しのものもあります。

Guyasby 2号のアームの取り付け方法は、バージョン違いが2タイプあるので、レストアの際にはちょっと注意が必要です。

この画像の物は、アーム側に雌ネジが切ってあり、固定用の部品点数が少ないタイプ。

アーム固定別仕様を見る→



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