Guyatone LG-65TLG-120TLG-50TLG-160T Telstar等に用いられたトレモロ・ユニットです。

トレモロ・ユニットとしての構造・動作原理はFender Jaguar/JAZZMASTERに用いられたFloating Tremoloとほぼ同じです。大きさはフェンダーのよりずっと小型。グヤ社製のフローティング・トレモロだから、
Floating → Floatin-Guya

というわけで、当サイト内での通称は「フローティングヤ・トレモロ」。

登場したのは60年代中期。部品点数は多く、ギターに取り付けるには大きめのザグリが必須。なのでGuyasbyよりも高級な製品と思われるのですが、廉価なモデルである65Tにも高級品のテルスターにも分け隔て無く用いられてます。
60年代後期になると、フローティングヤ・トレモロはもっと大型でロック機構も備えたものへとバージョン・アップしていきます。Guyasby 2号を載せたモデルは66年発売のLG-145Tが最後で、以後のグヤ製ソリッド・エレキのトレモロ・ユニットは全てフローティングになります。グヤ社的には、フローティング・タイプが推しだったのかも知れませんね。


基本的にはフェンダーのフローティング・トレモロと同じなんですけど、ロック機能はありません。また、バネと可動支点の位置関係は異なります。しかしそれよりも重要な違いは、
「可動支点(ナイフ・エッヂ)が別パーツになってない」
という点ですね。下部プレートを通すためのスリットの一辺が、そのままナイフ・エッヂになってます。トレモロ・ユニットとしての精度・耐久性を左右する部分に手抜き感があるのは残念。



このユニットに合うアームは直径5mmで、現行フェンダー・ジャパンのジャガー/ジャズマス/ムスタング用のもので代用できます。しかし稀に、それより細い軸受けを持つものがあります。
細いタイプの軸受けは直径は約4.65mmで、これはフェンダーのインチ・サイズのアーム(直径約4.7mm)より更に微妙に細くて、現行品では代用不可。いったい何を基準にしてそういう寸法を採用したのかと思いますけど、ともかく少数ながら、そういうサイズの個体も存在します。

細いタイプは初期ロットのものではないかという気がします。

(改)2008/11/22
(改)2010/09/27



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