Teisco BR65 *当サイトでのテスコのブリッジの呼び名について

「何年から使われ始めたかを特定しやすいのがブリッジ」なんですが、このBR65に関しては実はよく分かりません……と、早速にヘタレっぷりを発揮してしまうわたくしです。
現存するテスコ製品にこのブリッジが使われている例は少ないので、登場年を推定するのはちょっと難しいです。

それでも一応BR65とした根拠は、

ET-200にこのブリッジが使われている(輸出用の型番"ET"が使われ始めるのは65年)
・63年製WG-2L(ピストル・ヘッド)にはBR62が使われている
・64年発売のTRG-1/ノントレのブリッジもBR62である。

等々から、このブリッジが登場したのは65年以降であるように思え、ただ、

・65年の新製品YG-6の初期ロットのブリッジもBR62

なので「65年」とは言い切れない部分もあるのですが、65年「ではない」とする明らかな根拠もなく、色々考えるのも面倒くさく、一応現状では当サイト内通称をBR65といたします。後に間違っている事が明らかになれば修正いたします。

69年のカタログ画像では、WG-2LWG-3LにこのBR65が使われているのを確認出来ますので、カワイ買収後も60年代一杯は使用され続けたのだと思われます(あくまでもカタログ上の画像であるにすぎませんが)。
参考までに67年の画像。69年のものと同じです。



エレキ用ブリッジとしての機能は

・弦高調整=○
・オクターブ調整=△(一応段差が付けられているが固定)
・ローラー機能=×

廉価モデル用のブリッジではあるのですが、67年以降の製品ラインナップ中、最も安いSM-2LMJ-2LMJ-3LのブリッジはBR65"Roller"で、(安い方から数えて)4番目のWG-2L、5番目のWG-3LのブリッジがBR65。この時点で他にブリッジといえばBR66だけですから、BR65はテスコのブリッジ中
「松・竹・梅」で言えば「竹」
「並・上・特上」で言えば「上」
という位置付けだったと思われます。

ちなみに製品ラインナップの「ホロウ・ボディ部門」で最も安いのはEP-1LEP-2Lで、これらのブリッジはBR65"Roller"。BR65はホロウ・ボディには使われていません。



このブリッジのパーツ構成は台座と、それにすっぽり被さる形状のサドル、そしてサドルの支持と高さ調整を兼ねたネジ2本の都合4点。シンプルです。

テスコの金属パーツは、基本的に全て打ち抜き・プレス形成で作られている……と思っているのですが、もしかしたらこの台座は違うかも。これだけの厚みのある板材で小さな箱を作っているのですが、それが果たしてプレスで可能かどうか。
もしかしたらこんな形↓

に板材を打ち抜き→四方を折り曲げ→接合部を溶接し→研磨で仕上げ、という手間の掛かる行程を経ているかも知れません。

そんなことは現物をつぶさに観察すれば判断出来そうなものですが、これは既に売却済みで手元になく、今この記事を書きながら「ありゃ、どーだったかなぁ?」と思っている次第。いつか再びこのブリッジを入手する機会があれば、はっきり分かるかもしれません。



こういうコーナー部分の曲線も、プレス成形で作れるものかどうか。



サドルはプレス形成で間違いはないと思う(溶接貼り合わせで作るとしたら、あまりにも手間が掛かりすぎ)。
サドル用板材の厚さは、台座に比べればだいぶ薄かったと思うのですが、その点に関しての記録は無し。

2007/03/03
(改)2007/04/02


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