ベースプレートです。
モズ式トレモロよりも大型です。板材の厚さはモズ式と同じ3mm。

単に機能を充たすだけならもっと単純な形状にしてみたり、全て直線でまとめてしまっても良さそうなものですが、ほどほどに曲線を配するとかスプリングをはめる穴の右脇に(実用上は無意味と思われる)出っぱりを付ける等、細かな美的意匠を加える事を怠らないのがテスコの偉大さ(のようにも思え)。




弦を引っ掛ける回転軸を納める長方形の「窓」は、軸穴のある「耳」を折り曲げてから打ち抜く(あるいは折り曲げつつ打ち抜く)という工程で作られてるように思えます。
モズ式トレモロに比べ加工精度が高いというか、全体に「しゃきっとした」仕上がりのようにも思えます。




弦を引っ掛ける回転軸。
アームの取り付け部分と一体化しています。




固定はボルトかリベットかピン打ち込みか……よく分かりませんがとにかくガッチリ固定されていて、分解する事は出来ません。
溶接はされていません。




見た感じはちょっと華奢そうなんですが案外丈夫なのか、この部分が外れたり緩んだりする例はほとんど無いと思います(僕が手にした範囲では今のところ事故率0%)。




テスコのトレモロ・ユニットの多くに見られる「コード弾き+アーミングの時にコード感が崩れないようにするための工夫あれこれ」は、K-Trmには盛り込まれていません。こういうところもかなりBigsbyに近づいた設計になっていると言えるでしょう。




可動部支点のネジ。




ベースプレートと組み合わせた状態。
K-Trmは全体的にはBigsbyに似ているユニットですが、この部分だけは「かなり簡略」なのはちょっとアレで、当然ながら耐久性は大いに劣ると思います。摩耗がある程度以上進行した時点で、トレモロ・ユニットとしての精度の回復は望めなくなってしまいます。

テスコが現役メーカーであれば普通に交換パーツが供給されて無問題なんですが……しかしごく単純な形状の部品ですから、小型の旋盤さえあれば自作は可能。「我こそは」と思う人は挑戦してみてください。




再び組み上げた状態。




バネの足元はザグります。
あまり意味もないような気がするんですが。



アーム部分の詳細→


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