1972年、Leo Quan "Badass"さんが開発したBADASSブリッジが発売開始。 badassって英語のスラングで、「たちの悪い、厄介な(やつ)」って意味なんだって。 これは一世を風靡しましたから、当然日本のメーカーも早速これの模造品の製造に励んだわけです。 ・理由その1 ちゃんとパテントが掛かってた まあよく分からないですけど、ベース用にだけパテント掛けてギターの方はコピーさせ放題にするなんて事は考えられないですから、となると理由2が有力候補って事になりますか?それと、70年代後半に日本のメーカーが新発売した、いわゆるオリジナル・モデルのベースには、バダス風味を取り入れた自社開発品を用いる事が多い(グレコのGOやヤマハのBBシリーズその他)のも関係ありそうに思えます。 1981年に発売されたフェルナンデス製B.C.Rich Eagleのコピー"FEB-160"のブリッジは、本物のバダスのようです(ブリッジにBADASSのロゴが入ってるし、カタログにもブリッジ=バダスと明記されている)。 しかしまたこれがどうしたわけかギター用には、バダス風味のオリジナル・パーツなどは開発せずデッド・コピーを用いたのが日本のギター・メーカーなのでして、ここら辺の事情は不思議といえば不思議。ところで「日本製のバダス・ブリッジのデッド・コピー品」を、いちいちそういう長ったらしい名前で呼ぶのは面倒なので、当サイトでは今後これを さて、その和ダスブリッジを載せた日本製エレキは、結構早い時期から登場してまして、 1974年発売のGuyatone LG-880"MARROLY" 等々があります。グレコMRの和ダスはデッド・コピーではなく、グレコなりの一工夫が加えられた改良品。カワイのムーンサルトは78年発売です。 ところで、日本のギター・メーカーはミリ規格でものを作ってますので、和ダスブリッジの各部寸法も当然ミリ規格なわけです。
本物のバダスはインチ・サイズなので、和ダスブリッジとの互換性があるか(というより和ダス用に設えられたスタッドにハマるかどうか)は分かりません。いえべつに、和ダスブリッジの操作性とか音とかが気に入ってる人なら、べつにそんな事は気にしなくてもいいんですけど、私的はこの和ダスブリッジ、好きか嫌いかで言ったら、かなり嫌いな方なので、マロリーの和ダスを交換したいと思ってるんですね。 もっとも現在は、Wilkinson等がミリ規格のリプレイスメント・パーツを作ってるので、わざわざインチ規格のものを試したりする必要はないんですけど、Schallerのとかもちょっと美味しそうかなとか、そういう事も考えたりしますもので。
バダス・ブリッジの何がイヤかというと、まず弦交換が面倒。これは自分史上、最も弦交換が面倒なブリッジなんですよ。とくにリアPUとブリッジの距離が近いエレキ(要するにマロリーの事ですが)だと最悪。 等々等々 色々考えてるんですけど、まずはWilkinsonあたりに交換してみるのが一番無難でしょうね。
この画像の和ダスブリッジは、1984年頃に製造されたH.S.Anderson "Huston"に使われていたものです。マロリーその他に使われてるのも同じものだと思うのですが、もし何か違う点などを見つけましたら追記いたします。 2010/04/12 |