GuyatoneのLG-55Wなどに用いられていたノブです。いつの頃から使われ始めたのか正確には分かりませんが、

★LG-55Wが発売されたのは(リットーのビザール本によると)60年代の初期で、
★1964年以降の製品にはこちらのノブが使われてる

という事から、とりあえずこのページの物をグヤの60年代前期型ノブとでも呼んでおこうかと思います。


固定法は横ネジ式で、軸受けは金属で補強されるというゴージャス仕様。
LG-55Wはすごく廉価なモデルなんですけど、60年代の前半までは、そのような製品にもこういうしっかりした作りのノブが使われていたわけです。


V or Tの表示はノブ上面にあるのですが、この文字はもしかするとプリント等ではなく、電動彫刻刀の類(というか超小型のリーマーというか……よく分かりませんが)で一つ一つ文字を掘り、そこにペイントしてるのかも知れませんですね。文字の中にグリグリと彫ったような跡が見えるので。


側面のギザギザも、エッジが鋭角で精密な感じがします。

60年代の前期は「たかがノブ」一つにも、けっこうな手間を掛けて作ってたのかも知れないですね。その頃はまだエレキの「規格化」など全然進んでおらず、パーツの外注体制も整っておらず、

どの位までなら「手抜きしてかまわない」か、その匙加減もよくわからず、

ギター1本を作り上げるのに要する手間とコストは後の時代と比べ、ずっと大きかったのではないでしょうかというような事が、こんなノブ一つからも見て取れるわけですが、

まあ現代人の感覚からすると、こんなのは「無駄な労力」以外の何物でもありません。ノブなんて消耗品。


後期型と比べ直径は1mm強しか違いませんが、そのわりには大きく感じます。大きいというより「しっかりしてる」という感じでしょうか。
高さとの兼ね合いもあるんでしょうけど、ノブの直径の1mm差って、けっこう大きいのかな。

2009/11/29



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