WG-2L/WG-3LおよびMJ-2L用のピックガードです。↑の画像のものはPU ON/OFFスイッチが2つなのでWG-2L/MJ-2L用。

MJ-3LとWG-4Lのピックガードは全く別のデザインです。

材質はアルミで厚さは2mm。重量は88g。
裏表とも導通がありますので、アルマイト等の表面加工はなされてないと思われます。
表面は梨地仕上げで艶消しにされてます。裏面はたいてい、何の処理もされてません。

 ストライプ模様が入るようになるのは1965年頃から。幅1cmの鏡面(ヘアライン)仕上げの部分と従来通りの梨地の部分を交互に配し、ストライプ模様に見せてるわけです。
 65年以降、全てストライプ入りになったのではなく、Kシリーズ(66年発売)にはストライプなしの個体が多数存在する、というような事があります。ですので、

・ストライプがあれば=65年以降に製造されたものだが、
・ストライプがないからといって=65年以前のものとは限らない。

そのため、ストライプの有無は製造年特定のための指標とはなりません。


スイッチの機能を表示するプレートも金属製。


 こちらはスイッチが3つなのでWG-3L用。


 テスコがアルミ製ピックガードを用い始めたのは60年代の初頭、ベースのEB-2あたりからではないかと思うのですが、正確には分かりません。その後もアルミ一辺倒になったのではなく、62年発売のSS/SDシリーズは、金属製だけどアルミではないピックガードが用いられてます。64年に発売された新製品のソリッド・エレキは全てアルミ製ピックガードで、その後66年にテスコとしては初めて3P塩ビを用いたスペクトラム5が発売されるまで、テスコのソリッド・エレキのピックガードは全てアルミ製となります。

 その一方で箱エレキの方は、66年発売のEP-2Lにアルミ製ピックガードが用いられた他は全て樹脂製です。ここらへんの使い分けにはなかなか極端なものがありますね。

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 板材としての原価はアルミより合成樹脂の方が安いのではないかと思うのですが、なぜテスコはピックガードの素材としてアルミを選んだのか?

・当時の日本にはエレキのピックガードに適した樹脂板が存在しなかった。
・あるいは、樹脂板の加工法が確立してなかったので、工賃まで含めるとアルミの方が割安。

というような事情があったのかも知れませんが、よく分かりません。最初は梨地・艶消し仕上げにして金属感を消していたのだから、見た目重視で選んだとは考えられない。音色云々に関しては好みの問題になりますけど、アルミは、
・ノイズ・シールドの役目も果たしてくれるし、
・経年による変形・収縮も起きない。
ですからエレキのピックガードには適してる素材です。フェンダーだってストラト/ジャズマス用のオプション・パーツとしてアルミ製ピックガードを用意してる。

 全般に、楽器としてはガラクタ・レベルでしかないテスコ製エレキですが、評価に値するポイントもわずかながら有る。アルミ製ピックガードの採用は、その数少ないテスコの美点の一つだと思います。

2010/08/20



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