シャーラーの6連用ペグです。何年製のものかは分かりません。
フェンダーのラージ・ヘッド・ストラト等、クルーソン規格よりもポスト・ピッチの広いヘッドに用いるためのものです。


ゴトーというブランドに現在ほどのバリューがまだ無かった時期には、高級・高精度なペグの代表的メーカーだったシャーラーですけど、現在はどうなんでしょうねえ。ブリッジ方面には趣味な仕様の製品(弦間ピッチを調整出来るローラー・ブリッジとか”ベビーグランド・テールピース”とか)がラインナップされていて、ちょっと試してみたい気にもさせられますが、ちょっと試してみた程度のものとしては割高感があるから手を出しにくい。まあ無ければ無いでとくに困らないし。

しかしゴトーはフェンダー・ラージ・ヘッド用のペグを発売してないので、それ用の新品が欲しい時にはシャーラーのを買うしかない、という現状は困ったものです。まあゴトー的には「ラージ・ヘッドにはロトマチック使え」って事なのかも知れませんし、実用上はそれで充分なんでしょうけど、しかしゴトー式ロック・ペグ(MG)でラージ・ヘッドに載せれるものがあれば、それはテスコ類のためのリプレイスメント・パーツとしても適してる(オープン・バックなら尚良し)。なのにどうして、ゴトーにはこのタイプの製品がないのか?

理由その1:このタイプのペグに需要は無い。だから作らない。
理由その2:シャーラーがパテント的なものを押さえているためゴトーは製造出来ない。

まあよく分かりませんけどね。


外見は「旧式」な感じのペグですが、中身は高精度・高剛性な方向に進化してます。ベース・プレートは肉厚のダイキャスト製で、ストリング・ポストの根元にはぐらつき防止のためのがあります。


ギア部分は薄い板材で覆われていて、この中にはグリスが注入されてます。

フェンダーのラージ・ヘッド・ストラトにこのタイプのペグ(いわゆるFキー)が使われるようになるのは1968年からですが、当初からこういう構造だったかどうかは分かりません(ポストの根元のは、初期型にはありません)。
しかし70年代初期のヤマハのペグの中身は、このシャーラー製のものと似た要素をいくつか持ってます。ヤマハがシャーラーをお手本にして自社のペグを設計したのだとしたら、72年時点でのフェンダー用ペグも、既にこういう構造だった可能性はありますね。


2010/04/23



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