テスコのゴールド・フォイルPUです。K-PUと並ぶテスコの代表機種ですね。
ただWGシリーズはテスコ製品の中でもかなり売れた方のモデルですから、世の中に出回ったゴールド・フォイルPUの数は、かなり多いと思います。
1960年代中頃のエレキ・ブーム期に大量に作られ売られたテスコやグヤも、70年以降は一旦世間の表舞台から姿を消し、世代交代の完了……つまりエレキ・ブームをリアル・タイムで知らない年代の人々が楽器市場の主力となるのを待って、これら初期日本製エレキ「再評価」の機運が(ビザールという新用語とカップリングされて)湧き起こり今日に至る、と。 ギター・マガジンが最初のテスコ特集を出した時には、まだビザールという言葉は使っていなかった(はず)で、その次のムック(通称ビザール本)でビザールとギターを組み合わせる用例を初めて目にしました。まぁ何かブームを起こそうという時に「新しいカテゴリ」を作ってみるのは有効な手段。ですが、こういう作為的な煽りのための用語であるビザールに、僕はどうも馴染めず。 とはいえ僕も上記2冊の本に「煽られた」方の人間です。ギタマガのテスコ特集が出る直前(数ヶ月前だったか)に横浜のフリマ(のはしりみたいなもの)でThomasのエレキを拾い買いし、「なんだこれ?」みたいな感じでいじくり回していた、そういうタイミングだったのもツボで(運が悪かった、とも言える)。 もちろんテスコ製エレキの「見た目にしびれた」というのも大きい。とくにTRG-1。そしてゴールド・フォイルを載せたTRG-1は音的にも最高のギターだと思います(かなり扱いづらいですが)。 ちなみに僕は「エレキ・ブームをリアル・タイムで知らない世代」の方の人間ですが、10代前半の頃が「グヤトーンがギター本体を作っていた最後の時期」にあたり、グヤのカタログを眺めるのは大きな楽しみでした。それでエレキに興味を持った最初の段階でマロリーとシャープ5が「最高のギター」として刷り込まれてしまったようです。子供の時のこういう体験は怖ろしいもので、僕はいまだに「マロリーのかっこよさを理解出来ないという人の感覚が理解出来ない」という状態にありますから、子供の頃のすり込みってのは、ホントこわいものですよね。 2007/02/09 |