これがかの有名な、トムソンのなんちゃってハムバッカーでございます。


見た目はハムなんですが、中身はシングルなわけですね。
もう一つボビンがあるはずの場所には支柱が置かれ、ここにPUカバーが接着剤でガッチリ固定されてました。ですので分解するには骨が折れます。メーカーさんの
開けたらアカン!
という思いが伝わってくるようでございますね。

コイルの芯はコの字に折り曲げられたプレートで、そこにポールピースをネジ止め。コイルにはビニールテープが巻かれてる点など全て、SUZUKIブランドのPUと共通の設計です。

トムソンTomsonというのは1970年代の初期から80年代の中頃まで二光あるいはビバ楽器が販売していた通販系激安エレキで、製造元は主にテスコ絃楽器あるいは鈴木バイオリン製造(株)だったそうですが、鈴木バイオリン社で、こういう金属パーツの製造も行っていたとは考えにくい。

鈴木バイオリン社がギターの製造を開始したのは1914年(大正3年)で、つまり日本の量産ギター・メーカの最大級の老舗の一つなのです。60年代の中頃には3年間ほどエレキにも手を出しましたが、アッセンブリは他社から供給を受けていたようで、鈴木バイオリンはあくまでも生ギター、木部加工を主とするメーカーなのだと思います。

テスコ絃楽器は、おそらく1977年前後に営業を停止したと思われますが、なんちゃってハム搭載の製品は 80年代の初期まで出荷され続けていたようです。ですので、なんちゃってハムはパーツ専門の工場で製造されていたのではないかと考えられます。


ブランド名や製造工場名、あるいは型番などの表記は一切なしです。

2009/06/06



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