このPUはTeisco MJ-2Lに使われていたものです。これをフルアコ後付け用として仕立てたのがGM-F1。発売開始年は不明ですが、今のところ判明してる最も古い出現例は、リットーのビザール本・90頁に掲載されてる1961年のカタログ。J-1というソリッド・エレキに、このPUが取り付けられてます。 MJ-2Lの発売開始は1963年。65年頃に仕様変更されるまで、このPUが載せられてました。 6弦側が幅広くアンバランスなのは、フルアコに取り付ける際の支えとなるロッドをここに通すため、こういう形状になってるからです。
6弦の下あたりにある円形の凹は、小型のテスコ・エンブレムを貼るためのスペースです。この画像のものは空白ですが、これは欠品ではなく、最初から貼られていなかったんだと思います。
底板の2個所の穴に木ネジを通してボディに固定します。
内部の様子です。コイル・ボビンが割れていたのでセロテープで仮止めしてあります。茶色く変色したテープは、たぶん製造過程で貼られたもの。 ボビンの「芯」がマグネットです。一応ポールピースはあるんですけど、これは「なんちゃってポールピース(以下なんピー)」ですね。 なんピーとマグネットの横幅とが、ほぼ同じ寸法です。ですのでPUの取り付け位置を決める時、なんピーを基準にして当たりを取ると、1弦あるいは6弦の出力が小さくなってしまう可能性があります。しかしなんピーのピッチは10.1mmなので、普通のエレキのフロント位置としては幅広すぎるっていう だからなんピーの両端が弦幅から少しはみ出しても、むしろそれでちょうどいいんですね。上手く出来てるもんです(っていう事にしておきましょう)。
カバーは短辺側にある「ボッチ」とポールピースの6本のネジで固定されています。テスコのPUとしては分解しやすく、もと通りに復元可能な構造です。
コイルを保護するテープが一部切れて、ワイヤーがちょっと覗いています。
各部寸法です。測定の精度は+/- 1mm程度だと思ってください。またカバーの変形などがある場合には個体差も大きくなるものです。 2007/02/09 |