このPUはMJシリーズ(2L/3L)、WGシリーズ(2L/3L)それぞれの後期型に使わたものです。MJ-2Lは1965年の映画『エレキの若大将』での加山雄三の使用機ですから知名度もそれなりに高い(はず)。ですので当サイト内ではこのPUをMJ-PUと通称いたします。

MJシリーズの発売開始は1963年で、初期型にはこのPUが載せられていました。WGシリーズの発売開始も63年で、初期型にはゴールド・フォイルPUあるいは軍艦PUが載せられていました。しかしMJ/WGの両シリーズは64年か65年に仕様変更され、このMJ-PUが載せられるようになります。

MJ-PUはK-PUと比べ小型・軽量、見た目はシンプル、またMJ/WGシリーズという「廉価な方」の製品に用いられたせいか、どうもK-PUやゴールド・フォイルほどの人気は無いみたいです。また悪い事に、MJ-2Lの回路はPUの出力線にわざと50kΩの抵抗を付けて出力を落としてあるので、
「MJ-2Lの音しょぼい=MJ-PUの音しょぼい」
という評価になってしまうのも、しょうがないと言えばしょうがないんですけれど、MJ-PUの直流抵抗値は6.3kΩ前後で、ゴールド・フォイルとほぼ同じ。K-PU(約7kΩ)ともそれほど違わない値を持ってます。
MJ-3Lの回路には「出力線の抵抗」はありませんので、こちらがMJ-PU本来の音であると言えるかと思います。MJ-2Lの音がイマイチと思ってる方は、3Lの方を試してみるか、あるいは2Lの回路の抵抗を外してみる事をおすすめします。

私はMJ-PUを載せたWGシリーズを手にした事がないので、こちらの回路については分かりません。MJ-PU版のWGは現存数が少ない、わりとレアもののような気がします。


分解してみた事はないので中身がどうなってるかは分からないのですが、このPUのポールピースは「なんちゃって」ではないような気がします。いわゆるホットタッチでPU表面各部の鳴り方を比較してみると、ポールピース部分が明らかに音量が大きいです。色と質感からは、このポールピースがマグネットなのではないかという気もします。


出力線は2芯シールドで、MJシリーズの場合は複数のPUを同時ONした場合はシリーズ接続するように回路が組まれてます。


フロント用とリア用とでカバーの厚さを違えてありますが、中身は一緒。ボディには↓のような金具を介して取り付けます。

PUの高さは調整可能。テスコのPUが高さ調整可能になるのは、K-PUとMJ-PUが登場する64〜65年以降からです。


各部寸法です。測定の精度は+/- 1mm程度だと思ってください。またカバーの変形などがある場合には個体差も大きくなるものです。
採寸したのは「リプレイス目的でピックガードやエスカッションを自作する際の便利のため」が主目的ですので、とくに外寸に対しては、誤差が出たとしても「どちらかというと大きめ」な方に転ぶような数値の取り方をしております。

2007/02/09
(改)2010/04/26



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