これ、外観は普通のK-PUと全く同じなので、中身の画像だけを載せます。おそらく60年代末期、カワイに買収されて以降に用いられるようになったと思われる、K-PUの別バージョンです。Teisco R2という、小型のモズライト・コピーに載せられていたものです(リットーのビザール本によると、R2の発売開始は1968年頃)。

マグネットが分割されておらず、コイルのターン数が少ないのが特徴。直流抵抗値は2.7〜2.8kΩで、通常のK-PUが7kΩ前後ですから、それの半分以下しかないわけです。巻き数が少ない分、重量も軽い。ですのでこのPUを
K-PU "Light"
と呼ぼうかと思います。60年代末にこういう仕様に変更されたという事は、やはりコスト削減が主たる目的、だったんですかねえ。

ターン数を減らす事でどの程度のコスト削減効果があるのかは分かりませんけど、【ワイヤー代とワインディング作業代が半分になって】×製造個数が月に数千個分(たぶん)。一応それだけの違いは生じるわけで。

通常のK-PUと見た目上の違いは無いんですが、PUの裏面から出ている配線材が
・K-PU=グレーのビニール被膜2芯シールド
・K-PU "Light"=赤・緑・黒のリード線
という違いがあるかも知れません。しかし、必ずそうだと言えるかどうかの確信は無し。「おそらく60年代末期、カワイに買収されて以降に用いられるようになった」というのも、多分そうなんじゃないかと思うだけで、もしかしたら60年代中期から"Light"も用いられていたのかも知れません。ベースにもLight版が使われてます

新旧K-PUの、見た目上の違いとしてはもう1点、

「ポール・ピースの形状が整ってる」という事もあるかも知れないんですが、これはむしろ、通常版K-PUの例としてあげた画像が例外的にアレ過ぎるものなのかも知れませんし、テスコ類に関してはほんと、こういった事をこまごま掘り下げるのは徒労。それにまあ、見た目の違いがどうとかよりも、ターン数がこれだけ違うんですから音の方も当然ぜんぜん別物で、新旧の違い、そんなものは「鳴らしてみれば一発で分かる」はずのものでございましょう。少なくとも、
テスコのファン
等を自称する御仁であれば、この違いが分からないはずはないではありませんか。私個人に関していえば、音だけ聴いて新旧の判別をする自信はありませんので、参考のための音ファイルを作製いたしました↓

その1;ギターはTeisco R2、アンプはTeisco Model-72。PUポジションはR。
Teisco R2(R)
註)チューニングが狂ってるように感じられるかも知れませんが、
  あまりそういう事は気にせずご鑑賞頂ければ幸いです。

その2;ギターとアンプは同一で、PUポジションがF。
Teisco R2(F)

通常版K-PUと比べ、少なくとも「扱いやすさ」という点では"Light"の方が良いかも知れません。

2009/01/09



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