テスコのベース"BS-101"に用いられてるPUです。
外見はデュアルモンド風に似てますが、ポール・ピースがあるという点はゴールド・フォイルに似てる。直流抵抗値は約6.3kΩで、デュアルモンド風より大きく、ゴールド・フォイルとほぼ同じです。

・リットーのビザール本によると、BS-101の発売開始は1963年。
・エレキ用デュアルモンド風PUが初登場したのも(推定)1963年。
ゴールド・フォイルPUも同い年生まれ。

これらのPUを、テスコのゴールド三兄弟とでも呼んでみましょうか。


コイルとカバーをリベット2本で固定するという組立て方も、デュアルモンド風&ゴールド・フォイルと共通。


BS-101は販売期間が5年近くあって、その間に何度か仕様変更されてます。外観上目立つのはヘッドの形状/ブリッジの種類/ピックガードの縞の有無などですが、PUの形状も初期型と後期型では少しだけ違うかも知れません。カバーの角のRが、初期型の方が大きい(丸っこい)ように思えるのですね。これは、きちんと寸法を測ったり等はしてない、見た目の印象の話しなんですけど、一応参考までに。

このページの画像のものは最初期型BS-101に載せられていたPUです。


マウントするための土台。土じゃないです木製です。こういうのを用いるのもゴールド・フォイルPUと共通。


直流抵抗値は約6.3kΩ。重量は80g。

一般的なベース用PUと比べ、かなり小型なPUです。横幅はギター用のデュアルモンド風PUよりも狭い。中身的にも、とくにベース向きに設計されたものではないかも知れません。

BS-101はショート・スケール(628mm/ギターと同じ)で、重量も3kg未満。そんな小型のオモチャみたいなベースに、ギター用とたいして違わないPUを載せてるのだから、音の方はさぞかしペラペラであろうと思われるかも知れませんけれど、楽器の設計とは不思議なもので、見た目に反してBS-101は、低域がとても良く出るベースなのですね。太くて重くて温かい音のベースです。ただし、

低域が出りゃいいっていうものでもない

というのも、実際のところそうなのでして、無駄な低域が出過ぎるとやっぱり使いづらい。その他BS-101という機種には、音に芯がない・音程感が悪い・というかフレット音痴過ぎ等々のアレな点も多く、やっぱりフェンダーの楽器は良く出来てるという当たり前すぎる常識を再確認させられたりもするわけですけれど、いかんせん628mmスケールってのは無理がありますわね。願わくば、木部が完全ジャンク=部品取り要員のBS-101を入手して、このPUをフェンダー系ボディに載せるというような、そういう改造も試みてみたいものです。


BS-101のオーナーのりっけん。。さんから、大変貴重な画像を提供して頂きました。このPU内部の画像です。
カバーの形状から、最初期のものではないと思われるBS-101用のPUで、最初期型とは逆相になってるそうです。

ボビンが透明なので内部の様子がよく分かりますね。マグネットは、コイルの形状に合わせ両端が丸められてますし、カバー固定用のリベットを通すための穴も開けられてます。

金色のフォイルは金属製ではなく、ビニール・レザー的な材質のものだそうです。


「なんちゃってポール・ピース(以下なんピー)」の構造がよく分かる画像。これより以前の製品では「なんピー」のためにわざわざ別パーツを用いたりしてましたが、こちらの製品ではより簡略というか合理的というかな構造へ変化しています。
なんピーの開発史にも、それなりの「進化の過程」みたいなものがあったのだと言えるかどうかといったところ。

コイルには保護テープが巻かれてない、というのも初期製品と異なる所。

2010/03/16
(改)2010/04/26



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