カワイのSシリーズSDシリーズ等に使われてるPUです。ハウンド・ドッグ・テイラーの代表的なアルバムHound Dog Taylor & the Houserockersのジャケット写真で手にしてるSD-4WのPUはこれ。

だからこのPUの通称は"Hound Dog Taylor" PUでいいかなと思ってたんですが、ハウンド・ドッグはこっちのPUのエレキも使っていて、「ハウンド・ドッグの音」と言われてまず思い浮かべるのはどちらのPUか?それは人によってそれぞれだと思うんです。

ちなみに私個人的には、。このアルバム↓しか持ってないので、聴き馴染んでるのはこっちの方の音。

通称なんて無理に付ける必要など全然ないものですから、ここは無難にエレキ本体の方の機種名に因み、S-PUとでも呼んでおく事にします。


リード線は赤/緑/黒に色分けされ、ホット/コールド/アースを別々に出す式。Sシリーズは1963年に発売開始されたカワイの初期製品ですから、かなり早い段階からカワイのPUはこのスタイルに定まっていたわけです(60年代末の製品にも変わらず用いられ続けました)。

また、カワイが製造するようになっての後のテスコのPUも、リード線は赤緑黒の3色型になります。リード線がカワイ式になったというより、中身全体が買収前テスコとは別物になってしまってるように思われます。


分解した事はないので内部構造がどうなってるのかは分かりませんが、ポールピースが磁石ではないので、おそらく底面にバー・マグネットを置く式ではないかと思われます。

直流抵抗値は2.9kΩしかありません。ストラトの半分ですね。

私が今までに手にしたこのPUは5つ。その全てを測定してますので(当然+/-数パーセントの誤差はありますが)、断線等の不良で値が低いのではないことは確かです。5つの平均値がおおよそ2.9kΩだという事です。

コイルを巻くのにもコストが掛かるわけです。ストラトの半分しか巻かなくとも、それで音が出るならOKで、とにかく安く作ることが最優先だったのでしょうか。

しかし爆音を出すのでも激歪みにするのでもなく、室内でポロポロ弾くだけならこの値で充分だと言えなくもない。とくに$20前後、あるいはそれ以下で販売される最低価格帯のエレキとはジュニア・モデルである場合が多いですから、あんまり大きな音を出されても親御さんが迷惑で、これはこれで良かったのかも知れません。


直流抵抗値は2.9kΩ/重量は127g

SDシリーズではボリュームに50kΩ/トーンに100kΩのポットが使われてます。この値も変わってるというか、標準的なエレキと比べずいぶん小さいです。

2010/09/20



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