2008/10/30(その1)

台東区浅草一丁目、午後8時15分。寄席演芸のメッカ、浅草演芸ホールです。


 私がここに来るのは20年ぶりくらい。前世紀昭和末バブルの頃、わりと落語を熱心に聞いてた時期があって、その頃に一度か二度、来た事があります。


 しかし私の落語熱は、わりとすぐに冷めてしまい、その後は寄席に行くことも無くなりました。最近になって三味線なんぞを始めた手前、今一度寄席に行ってはみたいと思うものの、今の噺家さん(の有名どこ)を、わざわざ出かけてまで見物しようという気にはなれない。

 それに寄席というのは、ある特定の芸人だけをお目当てに見に行くというより、どうにも暇を持て余してしょうがないような日に、「しかたないから寄席にでも行ってみるか」程度の心もちで出かけるのが気分の遊び場だと思うんですけど、近年の私にはその、暇すぎて困るような一日というのが皆無だという事もあって、寄席からは遠のいてました。

 ちなみにその20年前、私の一番好きだったのは雷門助六(八代目)という噺家です。落語自体は小学生の頃からずっとラジオやテレビで見聞きしてましたけど、20代も半ばをすぎた1980年代の末頃になってようやく「こういう芸を見たかったんだ!」と思わせてくれる噺家を見付けた。その人がつまり助六さん。
 助六さんの亡くなったのは1991年10月だそうだから、私が見に行ってた時期は、ほぼ最晩年という事になりますね。正座が出来なくなっていて、見台を置いて高座を勤めてましたっけ。
 小学生の頃の一番のお気に入りは金原亭馬生さん(十代目)でした。私の好きなのはそういった人達で、だから今の落語を聞く気はしないというのも、分かる人には分かって頂けるかと思います。しかし今月は珍しく、ここ浅草演芸ホールのタダ券が入手できたものですから、久しぶりに足を運んでみた次第。



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