長唄主要曲一覧および作品年表

 長唄の主要曲・約300曲を、曲名・作詞者・作曲者の別に検索できるようまとめたデータ・ベースです。作品年表が付属します。

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この一覧表は、
・浅川玉兎『長唄名曲要説 全4巻』(邦楽社)
・古井戸秀夫『舞踊手帳』(新書館)
・戸板康二編纂解説/山本二郎・郡司正勝本分校訂『歌舞伎名作選 全15巻』(東京創元社)
・ウィキペディア
等を参考にして作成しました。作詞・作曲・初演年のデータが参照資料により異なる場合は、更に別の資料も参照し、最も確からしく思われるものを採用してます。

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 一応「主要曲の一覧」と銘打ちましたが、浅川本(名曲要説)の第4巻=稀曲集に収録のものも含めての300曲ですので、つまりあまり主要でなさそうな曲も一緒くたです。しかしどの曲が主要で、どの曲が主要でないかの線引きなどは私には出来ませんから、一応の目安として
・『舞踊手帳』および『歌舞伎名作選』に収録されてる曲は曲名をこの色
・上記以外の曲で、『要説』の第1・2巻に収録されてる曲は曲名をこの色
・更に上記以外の、『要説』に第3・4巻に収録されてる曲は曲名をこの色
で表示してあります。
 この色の曲は、歌舞伎作品年表にも同じものが収録されてます(データを共用しております)。

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 上演時間が概ね30分以内の小作品を数曲組み合わせて踊る、いわゆる変化舞踊については、現在、ほぼ全ての作品に於いてその「変化物としての全体像」は失われ、各個曲(の内、とくに人気の高かった曲のみ)が、それぞれ独立した一作品として伝承されております。しかしこの一覧表内ではそれらの曲を別々のものとして扱わず、初演時の組合せを一つのデータ単位として扱います。

という風に書くとかえって分かりづらいというか、説明が下手で申し訳ないんですが、

 要するに例えば、五郎/西王母/鳥羽絵という3曲は、(それぞれ独立した一作品として扱うのが通例ですが)この一覧表内では1枚のカードにまとめてあります。ですので曲名を検索してもあるいはを検索しても、五郎/西王母/鳥羽絵の3曲がひとまとまりになった同じカードが表示されてしまいます。ですので曲名検索をする場合は少々分かりづらくなってしまっているかも知れません。
 しかし作者および初演年で検索する時は、データが整理され見やすくなりますし、成立事情や初演時の演出意図等も掴みやすくなる(場合もある、かも知れない)。また、当サイトは長唄作品の現在のあり方よりも歴史性の方を重視等々の理由から、変化物についてはこのような扱い方とする事にいたしました。

変化舞踊のデータは歌舞伎年表と共有してるため、長唄以外の曲、例えば年増/助六/景清というデータ・カードもこの一覧表内に含まれてます。年増は舞踊作品として人気のあるものですから歌舞伎年表の方に含まれる。そのため曲名はこの色で表示されます。
・しかし年増は長唄ではなく、
・一方長唄の助六は、素唄としては人気がある方だから浅川本の第一巻に載ってるけど、踊り地としては年増と並ぶほどの人気曲であるとは言えない。
景清は、これは浅川本の第三巻に載ってるのだから本来はこの色で表示されるべき曲。
・しかしこの、それほど大人気とも言えない2曲も年増と一組の変化物だったという理由からまとてこの色で表示されてしまう。
・しかも年増は常磐津ゆえ、長唄一覧内の曲名のページには含まれてない等々、
つまりそういう座りの悪いアレが発生してたりもするんですけど、あまりそういう細かい事は気にしないで頂けたら幸いです。

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 CDが発売されてるものについては、演奏者名(立唄/立三味線のみ)と規格品番を記してあります。ただし、今までに発売された長唄CD全てのデータを集めるのは労力的に無理ですので、
・コロムビアの芳村伊十郎全集
・コロムビアの四世吉住小三郎全集
・ビクターの邦楽舞踊全集(芳村五郎治・杵屋佐登代ほか)
・キングの全集(松島庄三郎ほか)
・松永和風(一枚だけ)
に限り、データを収録してあります。

しかしこの中には2010年現在、既に販売終了し新品の入手が不可となったものも含まれてますし、現在販売中のものもいつ販売終了するか分かりません(伝統邦楽CDの市場規模は非常に零細なものです)。また、一度廃盤になった製品が再発される場合には品番が新しくなる事もあります。ですのでこのデータは「およそ2005〜10年頃の発売状況を表してるにすぎない」ものです。廃盤製品を図書館や中古レコード店等で探す時、これらのデータがあれば便利だったりもしますので、そういう用向きの際にはどうぞご利用下さい。

2008/08/16
(改)2010/03/13
(改)2010/03/22




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