(お別れ録音)Greco KF190、2010年11月

2010/11/15
(改)2017/07/18


グレコの初期製品、KF190。通称ソリアコ。当時の広告に、
「グレコ印ソリアコ型電気ギター」
て書かれてたからそう呼ばれるんだけど、

  • ソリアコって何の事か意味不明。
  • 大きさも意味不明。ボディ幅はマーチンのドレッドノートより広いかも。

ボディ形状はほぼ左右対称のWカッタウェイで、つまりこれ全然テレキャスじゃない。ブリッジ周りもテレキャスとはまるで違う。それなのにピックガードだけがテレキャス型だというその一点だけで、この楽器全体を何となくテレキャスの拡大コピーっぽく見せてるのは、逆にすごい事(かも知れない)。にしてもとんでもなく不格好なエレキだという事に変わりはないですけど。
 ソリアコといっても特別な仕掛けがあるわけではなく、ボディ構造は(60年代日本製エレキとしてはありきたりな)支柱ありシンライン・フルアコです。
 しかしこのKF190、楽器としてはなかなか良いのです。この個体はネックと指板が剥がれかかってるジャンク品だったのに、それでもわりと弾きやすかった。PUも、けっこう良いと思う。

■ギター・アンプはYAMAHA YTA-25/マイクはAUDIX D-1
■PUポジションはリード=Mix/バック=F
■両パートともエフェクト無し

■2010年11月02日録音

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・シンライン・フルアコ特有の、ボソボソした腰のない音。
・アタックはヘナヘナ。
 しかし私はこういう音のエレキが好きなんですね。フレーズを歌い上げるのではなく語るように弾きたい時は、こういう鳴り方のギターが適してるのではないだろうか?
 エレキの設計・製造技術は「ボソボソしない・ヘナヘナしない」方向へ進化発達してきた(と思うから)、ボソヘナではない「ちゃんとした・いい音」のエレキは今の時代、いくらでも手に入ります。そのかわりボソヘナなエレキをわざわざ作ってみせるメーカーは無い(んじゃないかな?)。60年代安エレキの世界を探せばボソヘナはいくらでもあるけど、そのほとんどは弾き辛すぎて使い物にならない。だからつまり、

「ボソボソヘナヘナだけどそこそこ弾きやすいエレキは稀少」

なんだけど、私の家にはこのテのがまだ4本残ってますっていう。どれもそれなりに良いけど、こんなガラクタが何本も手元あるのはイヤだから、最大2本を残し他は売却する予定。グレコのソリアコがその第一号になったのは、やはりボディでかすぎという理由が大きい。弾く時に邪魔。壁に掛けても邪魔。

2017年追記;
 最大2本は残すつもりでいた60年代型日本製支柱ありシンライン・フルアコ類。だけど結局、2012年までに全て放出してしまいました。それから更に数年経った2017年現在、手放すんじゃなかったと一番後悔してるのはこの類だという。中でもこのグレコのソリアコはもったいなかった。エピフォン・カジノにダイノソニックを載せれば概ね同じ音になるかもとも思うけど、そんなのを改めて入手・改造するくらいならソリアコを手放さなければ良かったって話しで、ともかくこの「お別れ録音」の音は良いと思ってます。
 とは言え、もしも再びソリアコの現物を目にしたら「やっぱこんなのいらないw」て思うのかもですけどね。


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