(お別れ録音)RAVEN、2009年01月

2009/01/05
(改)2017/05/13


 RAVEN、聞いた事もない名前です。どうせ1960年代末か70年代前期の泡沫ブランドなのでしょう。ただ、ヘッドに貼られたロゴ・バッジは「透明アクリル板の裏面にプリント」という作りの、なかなか本格的な、つまり無名ブランドにしては立派すぎる装備品で、いったいなんなんすかねこれ?なおRavenとはワタリガラスの事。

 リットーのビザール本の63pに、これのブランド違い(Apollo)のものが載っていて、「マツモクで製作されたらしい」と記載されてます。ただ、それ以上の記述は無し。つまり根拠不明。なので木部の製造工場はは不明ですが、ブリッジ/トレモロ・ユニット/ノブはグヤトーンのものが用いられてます。PUは他では見た事がない形のものですが、梨地加工されたプレートを用いてる点などはグヤ製品っぽい。

パーツの写真帳>RAVENのPU

 ボディ構造は支柱ありのシンライン・フルアコなんですが、深くえぐれたWカッタウェイ、そしてボディ幅が41cmもあるという、不気味なほど巨大でアンバランスな造形を誇る物件です。このボディならではの生音(ばよばよ)を録音したかったのだけど、使用したマイクはMXL600で、これはあまり良いチョイスではなかった(この時の私はまだ、ラージ・ダイヤフラムのコンデサー・マイクを持ってなかったので)。
 ただ、トレモロ・ユニットがわりと使いやすかったので多用し、その効果もあって結構ばよばよしてくれてるのは良かった。

 リードを鳴らしてるアンプはTeisco MODEL 72でPUポジションはR。60年代末〜70年代初頭の日本製安物エレキの音って、
・ちょっと独特の線の細さというか、
・ヤレた感じというか、
・温度感が低い感じ、
みたいのがあって、最初はダサいショボい使えないと思うけど、だんだん馴れてくると、これはこれで味わい深いのかなとも思えてきます。馴れって怖いですよね。

(2009年1月頃録音)


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