(お別れ録音)Teisco MJ-2L、2009年03月

2009/03/01
(改)2017/05/14


 リットーのビザール本によると、MJ-2Lの発売開始は1964年頃。でも私の記事だと63年か、もしかしたら62年って事になってる。そして、67年のカタログにも掲載されてる。
TeiscoTone>Gallery>Teisco MJ-2L
 トレモロ・ユニットが無いMJ-2の発売開始が63年って事かもですね。一方67年のカタログに掲載されてるというのは、そういう物が残ってるのだからこれは確実。いずれにしても、テスコの中でも販売期間が長かった方のモデルです。
 販売期間が長ければ初期と後期とではパーツ類が大きく異なるのがテスコのお約束。今回の作例で用いたMJ-2Lは、67年頃の最終バージョンと思われるものです。

 パーツ構成からするとWG-2Lの同等品ですが、配線が異なります。MJ-2Lは、PUの出力線に50kΩの抵抗が入ってます。VRではなく固定の50kΩ。
初期版の配線の画像
 これは最初期から最終版まで変わらない、この製品の特徴です。そのためMJ-2Lは音量が小さい。にしても、何故こんな配線にしたのか?MJのJは「ジュニア」の事で、
ジュニア(お子様)は爆音禁止
みたいな意図があったのかどうか。ともかく、全てのツマミを全開にしてもボリュームを少し絞ったような音しか出ないのがMJ-2Lですから、テスコならではのギラギラは期待出来ません。

 なんですけどこの音、捉えようによっては「シックな・落ち着いた音色」といえなくもなく、しかもPU2発を両方ともONにした時はシリーズ接続になり、更にハイ落ちし中域が膨らんできます。この音はいわゆる
ジャズ・トーン風
だと思えなくもない。ですので

・1960年代後半の日本の
・わりとまじめな方のエレキ小僧が
・ちょっと地道にジャズでも練習してみようかと思い
・しかしやはり、選曲の範囲はベンチャーズの影響からは逃れられない

という状況をシミュレートしてみた作例が↓

アンプはTeisco Model-72
マイクはRCA BK-5B
PUポジションは
・バッキング(4つ刻み)= F
・テーマと最初のソロ= F+Rで、Fのトーンを半絞り
・オブリガードと後ソロ= R
・2009年03月頃録音

 しかし実際とこ、テスコでこういうタイプの曲を弾いてみると全然ジャズっぽい音ではないって事が良く分かりましたですよ。リアPUの音なんて鶏ガラみたいな、ごく普通にテスコっぽい音だし。抵抗が足されてる分ペケペケ感が強調されてるともいえる。しかし本当は
いわゆるジャズ・トーン、なんてものは無い
とも言えるので(少なくとも私はそう思ってるので)、テスコで演奏するジャズってのも悪くはないかも知れませんですね。


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