1966年にKシリーズ用として登場したトレモロ・ユニットです。
このユニットは66年以前から使われていたかどうか……使われて「いた」とはっきり証拠立て出来るような物件は今のところ無く、これは「66年にK用として初登場」で間違いないと思いますので、当サイト内通称をK-Trmといたします。

ただ使用される機種はKシリーズ限定とかでは全然なく、翌67年のカタログではSM-2L/MJ-3L/Spectrum 5の3機種を除く全てのソリッド・エレキに、このK-Trmが使われています。




現存する個体ではカバーが欠品してしまっている物の方が多いですが、カバー付きであるのが本来(設計者の意図通り)の姿。

ギター本体と組み合わさっている状態ではヨーロッパ式甲冑を思い起こさせるようなメカメカ感がギラギラな金属パーツですが、これ単体で鑑賞すると案外すっきり細身で華奢、「スマートでシャープで、ちょっと鋭角」なルックスに思えます。








カバーを外した状態。こっちの方がカッコいいように思えなくもなく(見慣れているからかも知れませんが)。




トレモロ・ユニットとしての基本的な構造はBigsbyとほとんど同じですが、

・部品は全て板材プレス形成
・弦をシャフトに巻き付けるのではなくプレートに通す
・支点が簡易

という違いがあります。




カバーの拡大画像。




Rの滑らかさや、可動部の支点であるネジ頭のためのスペースが小さな「耳」になってる点など、プレス形成品としては精密感のある、なかなか上出来のものではないでしょうか。




固定方法は「かぱっと被せるだけ」で、あまりしっかり固定されるものでもありません(新品当時はどうだったか分かりませんが)。それでちょっとずれるとノイズ源になったり、あげくには出先で紛失したり狂的テスコ・マニア(というのがいたとして)に盗まれたり……とろくな事がなさそうですから、実用的にはこのカバーは装着しない方がよいかも知れませんね。


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