GuyatoneのLG-150TLG-125T等に用いられてるブリッジです。グヤトーン製のローラー・ブリッジとしては最初のものではないかと思います。

LG-150Tが発売されたのは1967年。テスコにローラー式が現れるのは1966年から。

テスコのローラー・ブリッジはオクターブ調整が出来なかったり、オクターブ調整はOKだけどローラー式としてはどうもイマイチだったりな製品だけど、LG-150Tのブリッジは、ローラーに関してはOK(滑らか)で、オクターブ調整も(機能限定なんですが)一応可能なので、この時期の日本製品としてはなかなか良い方のものではないかと思います。


部品の構成は、ベースプレートと6個のサドル、それにサドルを固定するためのカバー(ボルト4本で固定されてます)。
オクターブ調整可能なローラー・ブリッジとしては、かなりシンプルな部品構成です。


サドルを固定するためのカバーを取り外したところ。
5段階に刻まれた溝にサドルが乗せられてる、つまりオクターブ調整のための前後移動はこの溝の「5段階」で区切られるので、つまり正確なオクターブ調整は行えません。


サドルの拡大画像。旋盤で一つ一つ削り出したものだと思います。


サドルを固定するためのカバー。


サドルを「固定する」といっても、ぎゅっと押さえ付けるようなものではなく(ローラーが回らなくなってしまいますから)、サドルは弦の圧力でベースプレートに押し付けられてるので、サドルを固定するための力は一応それで充分。弦交換の時とか、ピッキングが強すぎた時にサドルがすっ飛んでいかないようにするのが、このカバーの主たる役割と思われます。


横から見た拡大画像。
ローラー・ブリッジでオクターブ調整も完璧に出来るようにしようとすると、例えばこんな感じの、かなり本格的というか、部品点数の多い複雑なものにならざるを得ない。しかしブリッジは、「部品点数が少なければ少ないほど良い」ともいえる部品なので、「オクターブ調整なんてまぁ何となく、だいたい合ってさえいればOK」な人にとってなら、このブリッジはなかなか良いものだと思います。



2007/09/15
(改)2008/10/06
(改)2012/05/15



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