テスコの、通称"軍艦"PUです。しかしなぜこれが軍艦なのか?

海底軍艦みたいな色だからという説があるらしい。海底軍艦を知らない人は画像ググって見て下さい
・しかし海底かどうかは関係なく、この沈んだグレーは普通に軍事色ではありますね。ポールピースは煙突。
・あと、寿司の軍艦巻に似てなくもない(色は全然似てないですけど)。

登場したのは1963年か64年。

64年のカタログに掲載の4機種=TG-64/TB-64/NB-4/EP-9に軍艦PUが使われてますので、64年までに登場してた事は間違いない。
WG-4Lの最初期型は軍艦PU。WG-4Lの発売年が63年なら、軍艦PUの登場年も63年。

軍艦PUが用いられたのは以上に名を挙げた5機種と、ヤマハの65年のカタログに載ってるYG-6/YB-6の2機種、合わせて都合7機種のみ。そしてK-PUが登場して以降、これらの機種のPUはK-PUへ載せ換えられます。上記7機種に軍艦PUが載せられて出荷された期間は1〜2年、長めに見積もっても3年くらい。しかもこれらはエレキ・ブーム(65年)より以前の製品なので生産数は少ない。

つまり軍艦PUはわりと稀少という事になります。


元々の生産数が少ないうえに、このPUは事故率も高め。内部断線で音が出なくなってる個体が多いと思います。しかもケースは樹脂モールドで分解出来ませんから、修理も不可。
64年のカタログでは「プラスチック整形により、コイル断線の心配はない」と謳ってるんだから困ったものです。


樹脂が収縮して、ケースに亀裂が生じてます。
70年代半ば頃になって登場したハイテクっぽい設計のPUにも樹脂で固めたものがいくつかあって、やはり内部断線で修理不可となってるものが多いですね(Aria Pro IIのベースSBシリーズ等)。


分解出来ないので内部構造がどうなってるのかは分かりませんが、ポールピースが磁石ではないので、おそらく底面にバー・マグネットを置く式ではないかと思われます。ボビンの縦横比はフェンダーのそれに近い。直流抵抗値は5.1kΩで、これもストラトに近い値です。


直流抵抗値は5.1kΩ/重量は72g

2010/09/20



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