2015年2月、リフィニッシュ開始

2014年11月頃、私は工作三昧な日々を過ごしてました。
ミュージックマスター・ベースにアームレストを取り付け
YAMAHA STH-500Rの改造を仕上げ
フラマンをリペアしピックガードを自作
その他に小物もいくつか。色々な物を作りましたですよ。

 それですっかり工作づいてしまい、改造マニアにとっての禁断の果実というかパンドラの箱というかな作業=「ボディのリフィニッシュ」に手を出してしまいました。今までやった事はありません。自分にとっては初めての作業です。

 もう何年も前からドンガラ状態のまま放置中のSA2000Sを、もうそろそろちゃんと仕立て直したい。ドンガラといってもPUを載せればすぐに使えるようになります。しかしその前に、これの塗装を全て剥がして塗り直すことにしました。

 ものすごく大変な作業になるのは分ってましたが、前ページにも書いた通り、塗膜にヤマハ特有の白濁が多く、色は黒ずみ、カビの生えた羊羹みたいな見た目になってる。それがどうにもガマンならない。この先何年か使い続けてくうちに、やっぱり塗りなおしたい!と思うに決まってる。だったら今、やってしまおうと。

 それと表板に亀裂が1本入ってる(SA2000Sではよく見かける不具合)。これも修理したい。また、オリジナル仕様のTOMテールピースは使わないので、スタッドアンカーの穴を埋めてしまいたい。等々の事もまとめて済ませられれば、スッキリ良い気分で使えるじゃないですか。

 という事で意を決し作業を始めたのが、2015年の1/10頃。毎日こつこつ作業して、1/30に塗装の剥がしと穴埋め等の作業が終了。塗装前の下地作りだけで3週間もかかりましたよ★
 私は基本、改造作業中の様子を記事にはしないのですが、今回だけはあまりにも大変だったので、1/30に塗装を剥がし終えた状態を記念撮影しました。

 SA-2000sのオリジナル塗装はポリなので、溶剤では剥がせません。ポリの剥がし方の定番は「ドライヤー等で加熱しながらペリペリ剥いてく」ですけど、SAには、それが効きません。なぜか側板だけは加熱方式で簡単に剥がせたのですが、他の部分はダメだったので、ちょっと特殊な方法を用いた。それで余分に時間が掛かったです。

 また、セットネックでボディの面積も大きいセミアコだから、作業場の確保も大変。ボルトオン・ネックのボディだけなら、小ぶりの作業台ひとつの上で済みますけど、セミアコだとそうはいかない。
 最初は、毎日少しだけ、1日10分ずつコツコツ進めるペースで3ヶ月くらいかけて作業しようかとも考えてました。どんな大変な作業でも、少しづつ進めて、気が付いたら終わってた、みたいな感じなら「辛かった」という印象は残らないじゃないですか。なんですけど、SAの剥がし作業を始めてしまったら、そのための作業スペースを確保しておかないといけないし、しかも細かいゴミやホコリで周囲を汚すし、剥がし途中の悲惨な状態のギターをずっと眼にする事になるしで、それが何ヶ月も続いてはたまらないので一気に作業する事にしました。一気に作業して3週間も掛かったわけですけど。

 セミアコはボディとネックの接合部(指板エンド)とかf穴とかの入り組んだ形状が多いから、それで更に手間がかかったですね。

 表板の亀裂は、f穴の下側から、トーン・ポット穴に向けて、長さ10cmくらいのが1本。0.2mmくらいの隙間が生じてたので、檜を薄く切って挿し込み、タイト・ボンドで接着。
 このギターのV/Tノブは2V/2Tの4つですが、私は2つだけあれば良いので、2つは埋めました。それと先述した通りテールピース・スタッドも埋め。なので穴埋め個所は4つです。

 リフィニッシュしたらピカピカの新品みたいになってくれるかとも思ってたのですが、長年の間に生じた傷やシミが木部にもけっこう達しており、また塗装を剥がす際の加熱で生じた黒変も少しあり、だから塗装を剥がしてもなんかボロボロでした、このギター。
 塗りつぶしカラーにすればピカピカに出来ますけど、これは絶対ナチュラル系にしたい。なので着色は、この経年感をむしろ強調する方向に仕上げたいと思います。

 埋め木は、普通は既製品の丸棒を用いるかもですけど、今回は自作しました。SA-2000sは表板がスプルースなのが大きな特徴で、だから埋め木も、出来るだけそれに合わせたい。既製品の丸棒だと木目の方向が合わないという事もあります。あと、スタッドの下穴径は11mmなんだけど、既製品の丸棒の11mmって滅多にない。

 という事で直径11mm、長さ約25mmの丸棒を自作しました。東急ハンズで檜のブロックを買って、それを丸棒に成型。なかなかの力作ですが、結果的にはいろいろイマイチだったです。
 スプルースと檜って、大まかには同じ仲間の樹なんだけど、檜の方が白い。そして木目が細かい。あと、スタッド穴に入り込んでた塗装を落とさなかったので、丸い環っかが目立ってしまった。 でもいいです。やれるだけの事はやった!という自己満足感は残せた作業。V/Tポット穴の埋めも同じような状態です。

 ヘッドは、裏面の「耳」の片側がチップしてました。マホガニー材3:3ヘッドではよくある欠損ですね。これも小片を貼って修正しました。

 貼り合せ面には小溝凹凸を作って嵌合させてます。それはなかなか凝った細工だけど、用いた材は、家の中に転がってたラワン角材。なので色がぜんぜん合ってません。いや、たったこれだけの物のためにマホガニーを買う気にはなれなかったもので。

 ネックエンド部分と、PUザグリ。PUザグリの中の塗装も、可能な限り剥がしてあります。

 とまあ以上もろもろの作業、すごく大変だったですけど、これをショップに出して同じ事をしてもらったら幾ら掛かるか分らない。というかこんな面倒な作業は、たとえお金を払っても、他人にやってくれとは言えませんですわね。だから自分でやるしかなかったです。

ヘッド表側のメーカー・ロゴと装飾模様について
 私は今までずっと、これはインレイだと思ってました。しかしペイントだったです。ヘッドの塗膜も白濁してたから剥がしたのですけど、そしたらロゴも剥がれてしまった。ペイントだと知ってればそれに応じた作業をしたのに、これ大誤算。
 しかたないのでオリジナルのロゴ等は全て削り落とし、新たに描き直す事にしました。この作業だけで、、もう1週間か10日くらい余分に時間が掛かりそう。まあ折角なのでオリジナルとは違うデザインにしますけど。

塗膜の重さ
塗装を全て剥がした状態での重量は、2.62kg。

 ですが、剥がす前の重さも量っておくべきでした。塗膜って何グラムくらいなのか知っておきたかったので、剥がし終えてから量っても、あまり意味は無い。惜しい事をしました。ちょっと失敗。再塗装が済んだら、もう一度量ってみようと思います。

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2015年1月までの状態

ヘッドのロゴを手書き
2015年4月、リフィニッシュが一段落
2016年8月

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